SIDE:A
第五話
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の目。六歳とは思えない受け答え。そして、上忍を含めた忍を三人も撃退する実力。
(噂には聞いていたが、とんでもない子供になったものだな。ミナト)
ミナトとは四代目火影に就任する前から交流があった。彼とは今もたまに飲みの席をともにすることがあり、よく息子娘の自慢話を聞かされている。
やれ息子はすごいだの、やれ娘は可愛いだの、やれ息子は賢いだの、やれ娘は可愛いだの、やれ息子は強いだの――。
酒の勢いもあり変なテンションで盛り上がっていた二人は互いの息子、娘の自慢話に花を咲かせ、いつしかこのような約束事を交わしていた。
『そうだ! 僕たちの子が大人になったら結婚させようじゃないか! ヒアシの娘ならうちのハルトもちょっとは大人しくなるでしょ!』
『うむ、それはいい考えだ! お前の息子ならヒナタを守り、ひいては日向に相応しい立派な大人になるだろう!』
『そうだろーそうだろー! うちのハルトはまだ六歳なのにもう僕に迫るくらい実力があるんだから万事任せとけー! あっはっはっはっはー!』
『うちの娘もまだ二歳なのにもう白眼を開眼したのだぞ! これで日向一族は安泰だな! ふはははははははっ!』
『あっはっはっはっはっはっはっ――――!!』
『ふははははははははっ――――!!』
あの時交わした約束は酒の影響もあり判断が鈍っていた。酔いが醒めても当事の約束事を覚えていたヒアシたちは話し合いの末に、本人たちが納得して了承するならとの結論に達した。
ヒアシ自身はどこの馬の骨ともしらない男に愛する娘をやるのなら、気心の知れているミナトの息子のほうがまだいい程度の認識だった。ミナトとクシナの二人なら息子を曲がった人間に育てないだろうとの信頼からの判断だ。
それにあの九尾を従者にするほどの力を持っているのだから、日向の婿として相応しい実力は有しているに違いない。そう思っていた。
だが、実際にハルトと対面し、短い間ではあったが彼と会話を交わしたことで、ヒアシの認識に若干の変化が生じた。
「ヒナタの夫は彼しかいないかもしれんな……」
もちろんヒナタの意思を尊重してだが。
スヤスヤと寝息を立てているヒナタを背負い直し、娘の未来について悩む父であった。
† † †
「あっ、そうだ。言い忘れてたんだけどハルト、婚約者いるからね」
「……は?」
ヒナタちゃんを救出した翌日。家族五人で食卓を囲みにぎやかな朝食を楽しんでいた時だった。
しれっとした顔でうちの天然親父がそんなことを言いやがった。
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