SIDE:A
第五話
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んばんは。君がこの男たちを?」
「うん。偶然この子が攫われてるのを見ちゃってね。助けられてよかったよ」
そう言って木に寄りかかるようにして眠っているヒナタに目を配る。ヒナタちゃんに異常がないことを確認した男性は安堵の吐息を漏らすと、小さく頭を下げてきた。
「……ありがとう。君のお陰で娘が連れ攫われずに済んだよ。よければ君の名前を聞かせてくれるかな?」
「うずまきハルトです」
「……! そうか、君がハルトくんか。君のことは火影様からよく聞いているよ。私は日向ヒアシ。この子、ヒナタの父親だ」
ペコッと頭を下げて自己紹介すると、男性は僅かに目を見開いた。
少しだけ目尻が下がると、ちょっとだけ雰囲気が和らいだような気がした。
(やっぱりヒアシさんだったか)
原作で知った顔と同じだったからそうではないかなと思ったけれど、双子の弟であるヒザシさんも瓜二つの顔をしているから判断に迷ったんだよね。
しかし、父さんの名前が出るとは思わなかった。火影様って言ったら四代目である父ミナトを差すから。
「父さんを知ってるんですか?」
「ああ、よく知ってるよ。彼と私は親友だからね。おっと、あまり長居はしていられないな。すまないが、私たちはこれで失礼するよ。後日改めてお礼をさせてくれ」
娘を起こさないようにそっと抱き上げる。原作では実力がないヒナタを冷遇していたような気がしたけれど、俺の記憶違いか? なにぶん、もう十年以上前の知識だからかなり記憶が風化してきてるしな。
とはいえ、これしきのことでお礼を言われるまでもない。
「当然のことをしたまでですので礼なんていいですよ。それよりヒナタちゃんをお家に帰してあげてください。家の方も心配しているでしょうし」
「……そうだな。今日は本当にありがとう、ハルトくん。ああ、彼らはこちらで処分するから気にしないでいいよ」
「そうですか。それではよろしくお願いします。」
さようならー、バイバイと手を振って跳躍し、木々の枝を渡って帰宅する。流石に家族以外に飛雷神の術を見せるわけにはいかないからな。
なにはともあれ、ミッション成功だ。そうだ、確かこの近くに川があるはずだから、そこで腕の返り血を落とそう。
気分上々な俺はテンションに任せて鼻歌を歌いながら川へ向かった。
† † †
颯爽と闇に紛れる小さな背中を見送ったヒアシはヒナタを背負い、自宅へ向かっている最中だった。
「彼がハルトくんか……」
母親譲りの燃えるような赤い髪に理知的な群青色
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