SIDE:A
第五話
[2/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
相手は男のようだ。現れたのが年端もいかない子供だと分かり油断しきっている。
俺自身は特に反応を示さず、ヒナタちゃんと相手の情報を分析した。
(ヒナタは微動だにしない。気を失ってる? なにか薬でも盛ったか。男たちは……チャクラ量は全員レベルCといったところ。中忍、一人は上忍クラスと暫定する)
分析完了。
コンディション――問題なし。
心の準備――初の実戦だが、すでに覚悟は決めている。
すべて問題なし! 口の悪い男を残し、ヒナタちゃんを担いだ男たちが先に進もうとするが――。
「通行止めだぜお兄さん」
瞬身の術で回り込む。
肉体活性による加速はまさに一陣の風。加速で勢いをつけた上で、さらに雷遁に性質変化させたチャクラを手に纏わせるダメだしの形態変化。雷遁のチャクラを纏うことで手刀に高周波震動を発生させる。
まるでチャクラ刀のように鉄をも寸断できるこの手刀は、あのクーちゃんから「当たれば痛い」とのお墨付きを頂いている一撃だ。
子供だと侮っていた男たちはまったく反応できずにいた。無防備な横腹に超痛い手刀を叩き込んだ。
(まずはヒナタちゃんを連れている男から排除する!)
五指をピンと伸ばした肉の刀は男の横腹を軽々と貫く。まるで豆腐のような脆さだ。
筋肉を穿ち、骨を砕いた感触が伝わってきた。
「ガァ……っ!」
空気を搾り出したかのような声にならない悲鳴を漏らし、絶命する男。
素早くヒナタちゃんを片手で抱えて瞬身の術で距離を取る。血濡れた手で触れるのは流石に可哀想だしな。
「……なに?」
「んだとっ!?」
ようやく状況を把握したのか目を瞠る男たち。
しかし、俺はそんな男たちに付き合うつもりなどさらさらなかった。
「て、てめ――」
「囀るな。大人しく死んでおけ」
ヒナタちゃんを地面に降ろしたら、再び瞬身の術で力強く大地を蹴る。
ズパンッ、と地に足跡を残して口の悪い忍の正面に移動した俺は、男がこちらの動きを目で追いきれていないことに気が付いた。
(中忍クラスと断定!)
肉体強化をしただけのただの拳を腹に叩き込む。
くの字に折れて嗚咽する男。無防備に晒している首筋目掛け、無慈悲に手刀を振り下ろした。
骨が砕ける鈍い音が響く。これであと一人。
崩れ落ちる男を一瞥することなく、振り向きざまにホルスターからクナイを取り出した。
――キィンッ!
金属同士の甲高い音が鳴り響く。首を狙っていた忍刀をクナイで防いだ音だ。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ