第51話
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合っているエリィとノエルに近づいた。
「あ……ロイドさん。」
「甲板に出ていたの?」
「ああ、風にあたりにね。えっと、お邪魔だったかな?」
「あ、ううん………」
「……その、通商会議の時の出来事について……それとディーター市長の提案について話してたんです。」
ロイドに尋ねられたエリィは辛そうな表情で答え、ノエルは答えた後不安そうな表情を見せた。
「提案……『国家として独立』するってあれか。」
「ええ……私にとってはちょっと他人事ではないわね。まさかおじさまがあんな事を考えてたなんて……」
「あたしもその……正直、他人事じゃない感じです。警備隊の存続にも関わってくる話ですから……」
「そうか……エレボニアとカルバードはクロスベル警備隊の規模縮小を要求してきているんだよな。代わりに自分達の軍隊をタングラム門とベルガード門に駐留させようっていう……」
「ええ………リフィア殿下やルファディエルさん達の活躍のおかげで二大国はそうは言ってられない状況になったけど……あの時はどう考えてもクロスベルから更なる富を吸い上げる為に結託したとしか思えないわ。そしてあわよくばお互いの隙を狙って併合して果実の独り占めをする……その準備としか思えないもの。」
「確かに……となると、市長の提案はそれに対抗する案でもあるのか。」
エリィの話にロイドは頷いた後言った。
「ええ、国家として独立すれば今まで両国に抑えつけられていた警備隊の装備も充実できます。対人用の武装だけじゃなくて、他国の侵略を阻止するための戦車や軍用飛行艇なんかも。……そんな風に考える自分がちょっと嫌になりますけど。」
「ノエル………」
「でも、おじさまの提案が現実的かどうかと言われると……エレボニアとカルバードは自国の混乱を治めるのに手一杯でまだ何とも言ってこないようだけど……混乱が治まれば間違いなく否定的な声明をするでしょうね。でも、リベールやレミフェリア、アルテリア法国などは好意的に受け取る声明を出してくれて…………ただ、二大国に睨みを利かせる事ができる肝心のメンフィルは中立の声明だし…………正直、もどかしい状況だわ。」
「そうだな……………通商会議の時、味方してくれたのは結局は自国の領を増やす為や”力”を示す為に協力したとしか思えないしな………光と闇の共存を謳う国とはよく言ったものだよ………」
「そうね……時には優しさや懐の広さ―――”光”の部分を見せ……時には非情さや戦争を起こす事も迷わず自分達の”力”を見せつける――――”闇”の部分を見せるんだから……………――――そして初代皇帝であるリウイお義兄様は”魔神”と”姫神”の血を引く方。その妻であるお姉様は”聖皇妃”という異名を持ち、まさに民の”光”とも言え
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