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第四十一話
第四十一話 土の修業
他の四人がそれぞれの魔法に磨きをかけている間梨花も当然ながら修業を行っていた。彼女も家の庭でいつも修業をしていた。
「ふう」
魔法をひととおりやって一息つく。だが満足してはいなかった。
「難しいわね、やっぱり」
「まあそうだろうね」
「そうね」
彼女の使い魔であるトカゲのピエールとヘビのジュリエッタがそれに頷く。
「けれど少しずつだけれどやれてきてるんじゃない?」
「もう少しよ、御主人様」
「いえ」
しかし梨花はその言葉に首を横に振った。
「まだよ、まだまだだわ」
「そうかなあ」
「あまり根詰め過ぎてもどうかと思いますけれど」
「こんなのじゃあの紫の魔女には勝てないわ。あの魔力ピエールもジュリエッタも見たでしょ?」
「はい」
二匹は主の言葉に頷いた。
「あれは確かに」
「半端なものじゃありませんね」
「だからよ。だから華奈子ちゃんも勉強しなおしてるし私も」
「ここで修業してるんですよね」
「ええ」
梨花はピエールの言葉に頷いた。梨花の家の庭はかなり広く草が広がっている。彼女はそこで土の魔法を色々と使って修業しているのである。
「土の魔法といえば地震ですけれど」
「あれは効果がないと思うわ」
ジュリエッタにそう答える。
「紫の魔女はいつも高いところにいるから。それに空だって飛べるし」
「そうですよね」
「だから地震じゃ駄目。他のじゃないと」
「他のと言われましても」
「その地震だってかなり高位な魔法ですよ」
「わかってるわ」
そうは言ってもできはしない。梨花は正直手詰まり感も感じはじめていた。
「けれどね」
「何かいいやり方ないですかねえ」
「石とか浮き上がらせてぶつけたらどうでしょうか」
「それはもうやってるし」
「そうですよねえ」
「何かいい方法ないかしら」
「そうだっ」
そこでピエールが閃いた。
「御主人様、あれですよ」
「あれって?」
「ゴーレムですよ」
「あれは無理よ」
梨花はそれをすぐに否定した。
「難しいなんてものじゃないから」
「そうですか」
「何か他にないかしら」
「あるよ」
そしてここで梨花と二匹の後ろから声がしたのであった。
第四十一話 完
2005・9・9
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