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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第56話 一妻多夫
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驚きの声をあげた。
 モカの乱入のおかげで、くるむの攻撃はつくねに当たる事無く、寸前で止まった。

「つくねに…つくねに手を出さないでよ!!」

 モカは、全てを知った今 遠慮する事なく くるむを 思いっきり両手で突き飛ばした。

「きゃ!」

 くるむはモカの突然の乱入に驚いていたがそれより驚いたのは……、その衝撃である。

「ええ……!!!」

 モカの凄まじい力にだった。
 遅れてやってきた衝撃。……まるで、交通事故にでもあったかの様な威力。
 モカの突き飛ばす力があまりに強過ぎて、くるむは、一気に窓の外へ飛ばされていった。





 丁度、モカが乱入したその頃。

「ううん……、皆、一体どこ行ったんだ? かなり険悪なムードだったし、殺気を……残すくらいだったしなぁ」

 カイトは、廊下にいた生徒達に、大体の事情を聞き(修羅場について、因みにカイト自身が渦中にいる、と言う事は伝えてない)今の状態を把握していた。

 くるむがモカの人気に嫉妬し、襲おうとしているというのみ。

 カイト&つくね争奪戦!を完全に省いた説明である。

 当事者には中々話せない内容だ。


「くるむ――くるむ――。うん、実際に会ってみたけど、……そんな悪いような子には全然見えなかったし。話せば分かり合えると… ううん…しかし…女の子って怖いかも……どんな世界でも、同じなんだな……。万国共通、ここにも有り、って感じかぁ……」


 色々と大変だな、とつぶやいていたその時だ。
 ガッシャーーーーン! と、ガラスが割れる様な甲高い音が周囲に響き渡った。

「っっ!! 上……? あ、あれは……」

 頭上を見上げると……、そこには 何かが飛んでいた。
 よくよく見ると――完全に正体を現したくるむの姿だ。翅や尾。空を飛んでいたのだ。

「……殺気」

 カイトは、じっとくるむを見て、また 殺気を感じた。
 それは、先ほどとは少しばかり違う種類の代物。……敵意は敵意でも、少し形が違う。……何かを壊そうとする、怒りに任せて 暴れている、と言う印象。

「……あれは、流石に拙い」

 カイトは、見て見ぬふりをする様な状況ではない、と言う事を瞬時に把握すると、《疾風迅雷(ライトニング)》を発動させる。

「ケガするくらいじゃすまないだろ……。特に人間のつくね……はっ!!!」

 疾風迅雷、雷の残滓を残しながら、まさに雷速で カイトは移動を開始したのだった。



 そして、丁度同刻。

 モカとつくねは、完全に怒りで我を忘れたくるむと対峙していた、のだが……。

「あ、あれ!? ロザリオが外れない! おかしいな、この間は簡単に外れたのに!」

 今のくるむを相手
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