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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第56話 一妻多夫
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夜萌香を見返せる! ファーストキス……、最初は 好きな人と……って思ってたけど―――、背に腹は……っ!)」

 5cm…4cm…3cm…
 徐々に、くるむは自身の唇をつくねの元へと……。

「まっ…」

 それは、つくねの唇が触れる寸前だ。
 全神経を集中させ、つくねは、くるむに抱き着いたのだ。

「きゃ!(あ あれ? さあ口付けを…)

 抱き着かれたくるむだったが、それは 効果は無い。真の効果が得られるのは、接吻(キス)をしなければならないのだから。だから、つくねから離れようとしたのだが、全く離れる事が出来なかった。

 全く―――離れられなかった。



「−−−−−−!」
「ごめん!できないよ!オレ…裏切りたくない人がいるから…」



 ドクンッ……、とくるむの心臓が高鳴った。

 つくねは、全く逆らえない魅惑眼(チャーム)を今度は逆に利用して、真の意味での魅惑の術を防いだのだった。

 その行動はくるむを激しく傷つける結果になった。

「どうして…どうして… そこまでして…拒むの? そんなに、そんなにあの人(・・・)がいいの??」

 くるむは魅惑眼(チャーム)解除して、つくねを突き放した。まるで磁石の様にくっついていた2人が、同じく反発する磁石の様に、離れた。

「え!!」

 つくねはくるむの突然の激昂におどろいた。 

「わたしが… こんなに尽くしてるのに… 本当は、本当は……恥ずかしい事も、やってあげてるのに!!」

 徐々に激昂していくくるむ。
 その感情の昂りに合わせて、翼・爪・尻尾すべて擬態を解いた。

「えええええ!! くるむさん!!?」

 つくねは、魅惑眼(チャーム)が解けた反動だろうか、完全に正気に戻ったつくねは、何が起こったのか理解できてなかったが。今から自分の身に起こる事、それ自体は把握できた。

――非常にやばい状況なのだと言う事も。


「(いままで誰にも負けた事無かったのに… あの女が… 赤夜萌香さえいなきゃ!!)」

 思いがけないつくねの行動・突然の挫折・傷つけられた負けられないプライド・そして一族の宿命…様々な事が重なり、くるむにはもう冷静な判断が出来なくなっていた。

「もーーーー!! あったまに来た!! あの女にかかわるもの、皆々! ぶちこわしてやるーーーー!!!」

 くるむは、我を忘れて、その長い爪を伸ばし、つくねに切りかかった。

「ひゃああああ!!」

 後ほんの一寸の距離。つくねの身体に鋭利な爪が迫っていたその時。


「やめてーーーー!」


 間一髪モカが、入ってきたのだ。

「も、モカさーーん!!」
「何っっ!!?」

 つくねとくるむは共に
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