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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第56話 一妻多夫
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に輝きを増した。
『私は、もう1人のお前だ。………深層意識からロザリオを媒介にし、話している』
「え…もう1人のわたし?」
正直な所俄かには信じがたかった。自身の妖力が解放されれば、本性が姿を現す、と言う事は判っていたし、以前もあった。でも、こんな風にコミュニケーション? が図れるとは思わなかったのだ。
色々と考えていた時も、声は続く。
『サキュバスは男を惑わす妖 その口付けをうけた男は永遠に虜になってしまうと言う……。 急げ……このままでは完全につくねはくるむの下僕にされてしまうぞ』
モカは、その言葉を訊いて そして くるむの目的を訊いて、はっきりと理解した。
あの行動は、つくねの意志ではない、と言う事と――― くるむは、意図的につくねを巻き込もうとしている事が。
そして、某場所では。
「(やっふ〜〜〜♪ 見た? 見た見た?? あのオロオロした顔! 泣きそうな顔っ♪ たまんないよ〜〜)」
くるむは、モカの人気っぷりがよほど悔しかったのか、今は歓喜の涙を流しながら、一部分だけ擬態を解いて、その長く特徴的なサキュバスの尻尾を左右に振っていた。……犬?
そして、くるむの傍にいるつくねは、意気消沈。
「(なんで?? なんで?? オレ、モカさんにあんな事を言っちゃったんだろ…………)」
くるむとは正反対の意味で、悲痛な涙を流していた。
そう、モカと別れる前に―― つくねは、自分の事を『食料として見ているだろう?』とモカに言ったのだ。――正確には、くるむの術中に嵌り、言わされたのだ。
哀愁漂わせるつくねを見て、くるむは にやりと笑った。
「(つくねくんもよく見るとかわいいかも? いいね♪ このままつくねくんを虜にすれば私の勝ち!)」
そのまま、つくねを抱きしめるくるむ。
「落ち込んでるんだよね? つくねくん… お詫びにくるむが慰めてあげるから…」
「(って、なんだーーオレ! モカさんとケンカしたばっかなのに!! こんなのばっかり!!)」
つくねは、くるむの胸で窒息しそうになっていた。
「(よしっ、
魅惑眼
(
チャーム
)
)つくね君…じっとして…」
つくねは、また――くるむの眼を見てしまい、完全に虚ろになってしまい――、そのまま、互いに顔を紅潮させながらベットに横たわった。
「く、 くるむ…さん…(だ…だめ…だ… やっぱり おかしい… くるむさんを見てると…オレ… いけない… このままじゃ…)」
ベッドに横たわり――最終段階に入る くるむ。
くるむは魅惑の術最終段階の口付けを行うため、顔を近づけていった。
「(わ わたしまでドキドキしちゃうけど… この口付けで… これで赤
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