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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第56話 一妻多夫
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ど、あからさまじゃんっ!」
つくねがツッコミをいれた。それは、なかなかに的確だった。
「う、うぐ!! …………逃げたって言葉をつくねに言われるとは……」
つくねの絶妙な突っ込みに返す言葉が無く黙る。図星だからこそだ。あの空間から逃げ出したかったから。
だけど、言われっぱなしは癪な為、カイトも反論をする。
「オ オレは、ああいう雰囲気は苦手なんだよ!!」
「そんなの、オレだって得意じゃないさ!!」
わーわー言い争っている時。
「あ あのさ… ちょっと良いかな??」
モカが不安そうな顔をして話してきた。
「昨日…実はロザリオが話しかけてきてさ…」
昨日の話。
くるむの元へと向かう前の出来事を、2人に話した。
「えー ロザリオが話しかけてきた!!」
「…………」
つくねは若干驚いて、カイトはそこまで驚かず、モカのロザリオを見つめていた。
「うん…… でも昨日はその声に助けられたんだけど……… 変だよね…封印が弱まってきているのかな?」
少しくらい顔をしながら続けた。
「ねぇ…もし… もし封印が効かなくなっちゃったら 2人とも……それでもわたしを嫌いにならないでくれる?」
カイトはまだ黙ってロザリオを見つめていて、つくねは、直ぐに返事をする。
「もちろんだよ! ちょっとくらいコワくっても血を吸っても オレにとってはモカさんはモカさんだもん!!」
まさに即答だ。自分自身の正直な気持ちをつくねは伝えた。
「ホント! つくね…ありがとう!!! あ…あのカイトは? ……わたしの事…嫌いになっちゃう? カイトにも……その、ボウリョク、振るっちゃったみたいだし………」
モカはつくねには満面の笑みで答えた。唯カイトは、まだロザリオを見つめていた。
「(ちょっと!! カイトどうしちゃったのさ! いつもなら 「つくね!しっかり伝えてやれ!!」って言ってるじゃん! 黙っちゃって!)」
いつもとまさに逆のパターン、である。つくねがカイトに話すように促していた。
それを訊いて、カイトはゆっくりと頷いた。
「ん…? ああ、すまん。ちょっとロザリオを見ててな」
そう2人に言い、改めてモカのロザリオを見た。
「……封印魔具系はあんまし知らないんだけど、壊れてる感じとか全く感じないんだよな… でも、声が聞こえてくる……と言う事は、シンクロが進んでいる、と言う事、か。別人格と話すのには、このロザリオを媒介にするのは当然だが――。んー……」
じぃーっとロザリオを見つめていた。
えー…、ここで言っておくが、ロザリオはモカの胸元に位置している。
その部分を凝視するって事は…必然的に胸元も視る事にな
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