暁 〜小説投稿サイト〜
ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第56話 一妻多夫
[2/14]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
たカイトもたたき起こされてしまった。
いや、実を言うと、少なからずいつもと違う雰囲気に、やっぱり 少し心配(って少しかよ!!)してたカイトは、少しばかり 外の気配を探っていたら…モカの妖気をモロに感じ取っていたのだ。教室が、学園が揺れていると錯覚する程の殺気を。
「……封印されてるのに、モカから こんな妖気が出るって…… つまり、モカ相当怒ってる?? うぅ〜〜ん………、正直、ほんとに こんな空気ヤダなんだけど。 ちょっと、気配が……いつもと今回は違うか…な。それに…、くるむの事も少なからず気になるし………」
あの修羅場の空気からすぐに逃げ出したかったカイト。……でも、あまり険悪になり続けるのも、正直望む所ではない。
それに――まだ、気配の残滓が残っている気がする。
「むむ……、ちょっと、ほんとにヤバイかも……。 もう、ムリムリ言ってる場合じゃない……か。フォローしてあげないと」
意を決して、カイトは再び
廊下
(
修羅場
)
へと向かって行く事を決心。
少々ビビっているのだが、それでも恐る恐る扉を開けてみると―――。
「……あ、あれ? モカ達は??」
廊下にはもういなかった。
少なからず、安心したのは別の話。
そして、校庭の扉前に座りながら、モカは沈んでいた。
カイトが意を決して廊下に突入した時にはモカ達はおらず……、くるむは つくねを連れ去って、モカは意気消沈してしまって、離れていたのだ。因みに、バンパイアの殺気の残滓が残ってしまっていて、カイトはまだ外にいると勘違いしていたのだ。
モカは、今は怒る気持ちは全くなく――ただただ、後悔をして 悩んでいた。
「わたし… つくねやカイトのなんなんだろう… 友達…なのに・・・ わたしの
本性
(
ほんね
)
は 血を吸いたいだけ…? それに、カイトにも迫ったし… 私は…… 友達に、ひどいことを………」
モカのその眼からは、涙が溢れていた。
つくねが離れてしまった事、その原因が自分にある、と。
その時だ。
『おい! 未熟者、つくねは操られているだけだ』
また、あの時の声が突然聞えてきたのだ。
「わっ! な、なにっ!?」
モカは周囲を見渡すが、やはり何もないし、誰もいない。……だが、声だけは まだ続いている。
『あれは、《
魅惑眼
(
チャーム
)
》……所謂、異性を虜にする術だな』
モカは、漸くこの声が、何処から出ているのか、理解した。
自身の胸元をじっと、見つめて――。
「なっ 何これ?? ロザリオから声が!?」
そう、この声は、モカの胸元のロザリオから聞えてきたのだ。
そして、中心に埋め込まれている赤い宝玉が、鮮やかに血の様
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ