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第三十九話
第三十九話 先生のお友達
見ればさっきの鳥や犬、猫達であった。それ等が全て華奈子達を取り囲んでいるのである。
「せ、先生まさかこれって」
「はい。この子達が先生の使い魔です」
先生はやはりにこりと笑ってそう答えた。
「どう、一杯いるでしょ?」
「一杯って・・・・・・」
「あの、本当にこれ全部なんですか!?」
「ええ」
先生はそれが当然であるかのように答え続けた。
「それがどうかしたのですか?」
「嘘・・・・・・」
五人はそれを聞いてあらためて絶句した。
「あの、これだけの使い魔を全部使いこなせるなんて」
「あ、それは簡単なんです」
「簡単って・・・・・・」
五人はもう開いた口が塞がらなかった。
「どうやったらこれだけ」
「私達なんて二匹がやっとなのに」
「心を通わせればいいだけですから」
「心を」
「はい。動物さん達にも心はちゃんとありますよね」
「はい」
実際に彼等と話をしているからこそわかる言葉であった。
「それです。お話して心を通わせればいいのです」
「全部の動物にですか?」
「はい」
「けれどそれって中々できることじゃ」
「華奈子ちゃん、中々どころじゃないわよ、それって」
「まずは自分の心を開くこと」
先生は穏やかな声でそう述べた。
「それからです」
「それからですか」
「はい。皆は使い魔をどう思っていますか?」
「そりゃあ」
華奈子達は顔を見合わせた後で先生に答えた。
「家族です」
「はい、家族ですよね」
「はい」
「それです。家族には心を開きますよね」
「まあ家族ですから」
「それが最初なのですよ。そしてそれが一番大事です」
「そうなんですか」
「もっと難しいものだと考えていましたか?」
「はい」
「長い時間をかけてじっくりとやっていくものだとばかり」
「そうではないのですよ。魔法も」
先生の言葉はわかり易く、簡単なものであった。
「心を開くこと。そして動物さんを自分の中に受け入れます」
「はい」
「それだけです。それで使い魔を使えるようになります」
「魔法も」
「勿論です」
先生はにこやかに笑っていた。それが先生の答えであった。
第三十九話 完
2005・9・6
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