第10話
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リィン達と共に集落に到着したグエンは故障した運搬車を修理し、その後―――リィン達やグエン、依頼によって保護したカメラマンを歓迎する宴会が長老宅で開かれた。
〜夜・ノルドの集落〜
「いや〜、グエン殿には本当にお世話になりっぱなしだわい。それでは、まず一献。」
「おっとっと。それじゃあ返杯を、と。ほれほれラカン殿もガンガン行くがいいじゃろ。」
長老と酒を酌み交わしたグエンはラカンに視線を向け
「ええ、遠慮なく。」
グエンに視線を向けられたラカンは静かな表情で頷いた。
「いや〜、何というか驚いたね。あのグエン・ラインフォルトがこんな場所で暮らしてたなんて。」
一方その様子をリィン達と同じテーブルでご馳走を食べていたカメラマンのノートンは目を丸くしてグエンを見つめた。
「やっぱりその筋では有名な人なんですよね?」
「そりゃあ、導力革命を受けてラインフォルトをあそこまで巨大なグループにした立役者だからね。娘さんが会長を継いでからはさらに巨大になったけど。」
「ラインフォルトと言えば昔は火薬を使った銃や大砲を手がける武器工房というイメージだったが……いつの間にか、鉄道や導力兵器を大々的に手がけていたような印象だな。」
リィンの疑問に答えたノートンの説明を聞いたユーシスは自分が感じていた事を口にした。
「ああ、貴族の人にとったらそんな感覚かもしれないですね。実際、ラインフォルトは帝国だけじゃなく大陸諸国でも手広く販路を拡大している噂もあるぐらいだし……その意味では、帝国では珍しい”国際人”ともいえるかもしれない。」
「なるほど………」
「物知りとは思ったが、そこまでの人物だったとは……」
グエンの過去を知ったガイウスは驚いた様子で話を聞いていた。
「しかし、その彼がどうして会長を辞めたのかは謎なんだよな。一説には病気と言われてたけど見た感じ全然元気そうだし。こりゃあ、あの噂の方が正しかったのかもしれないな。」
「あの噂?」
「なんだそれは?」
ノートンが呟いた言葉が気になったリィンとユーシスは不思議そうな表情で尋ね
「おっと、何でもない。ゴシップみたいなものさ。俺はブン屋じゃないからね。不確かな噂は控えておくよ。」
尋ねられたノートンは答えを誤魔化した。
「アリサお姉さん?さっきからボーっとしているようですけど、どこか具合が悪いのかしら?」
その時大人の女性達と共に色々な事を話していたレンはアリサが呆けている事に気付くとアリサに声をかけた。
「ん……料理が美味しすぎて食べ過ぎちゃったみたい。少し苦しくなってきたから風に当たってくるわ。」
「ふーん………わかったわ。」
アリサ
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