第10話
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の答えを聞いたレンはアリサの答えを信じていない様子でアリサが住居を出て行く所を見守り
(アリサ……?)
リィンは首を傾げて見つめていた。そこにレンが近づいて来てリィンに小声で話しかけてきた。
(アリサお姉さん、何だか悩みがあるみたいだから、リィンお兄さんが聞いてあげてもらえないかしら?)
(それは構わないが……って、どうしてレンじゃなくて俺なんだ?)
同じ女性であるレンではなく、異性の自分がアリサの悩みを聞いて来ることが気になったリィンはレンに訊ねた。
(クスクス、適材適所というものよ♪)
(意味がわからん……けどまあ、行ってくるよ。)
そしてリィンもアリサの後を追うかのように住居を出た。
「…………ふう………………バカみたい……一人で空回っちゃって…………」
外に出たアリサは溜息を吐いた後複雑そうな表情でかつての幼い頃を思い出した。
〜数年前〜
「ほーら、アリサ。すっごい風景じゃろう!」
「うん、すっごいね!」
老人の言葉に幼いアリサは嬉しそうな表情で頷き
「ほらほら、二人とも。予定が押してるんだからさっさと行くわよ。」
「まあまあ、いいじゃないか。滅多にない休暇だ。君も少しは羽根を伸ばすといい。」
二人を急かそうとする女性を眼鏡の男性は苦笑しながら諌めていた。
〜現代〜
「…………………………」
「……アリサ?」
かつての幼い頃を目を閉じて思い出していたアリサにリィンが近づいてきた。
「リィン…………ど、どうしたの?あなたも食べ過ぎたとか?」
「ああ、結構頂いたかな。でも大丈夫か?フラついてるみたいだけど。」
「べ、別にちょっとぼうっとしてるだけで……少し風に当たればどうってこと―――きゃっ。」
アリサが突如倒れかけるとリィンがアリサに近づいてアリサを支えた。
「ご、ごめんなさい。」
「ほら、言わんこっちゃない。無理もない。今日は一日中、馬に乗ってたし、かなり体力を消耗したんだろう。」
「そっか……そうよね……そんなことも自分で気付かなかったんだ……」
リィンの指摘に頷いたアリサは疲れた表情で顔を俯かせて黙り込んでいた。
「……アリサ。空を見上げてみなよ。」
その時ふと空を見上げたリィンは呟き
「え…………」
リィンの言葉を聞いたアリサが空を見上げると夜空は雲一つない満天の星空だった。
「あ――――……………………」
「はは……昨日は早く寝ちゃったから気付かなかったんだな。でも……風に当たるなら、俯いているより見上げた方がいいんじゃないか?」
「…………………………ええ、まったくだわ
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