第九幕その十
[8]前話 [2]次話
「ふとね」
「それじゃあオズの国を一周したら」
「一周したら?」
「外の世界の季節を味わえるかな」
「言われてみれば」
そう言われてです、実際にでした。
カルロスは納得してです、こうボタンに返しました。
「そうなるかな」
「うん、季節で葉の色が変わるんだよね」
「そうだよ」
「葉が変わるならね」
「オズの国だとね」
「国から国へ行けばいいんだよ」
まさにそうすればというのです。
「そうなるね」
「そうだね、緑はエメラルドの都にあるし」
緑の国です。
「黄色もあるし」
「ウィンキーにね」
「それにね」
カルロスはさらに言いました。
「他の色もあるし」
「マンチキンとかギリキンとか」
「青とか紫とか」
「あるよね」
「そうだね、あと冬はね」
「その季節は?」
「何もなくなって枯れて」
そしてというのです。
「雪で白くなるけれど」
「オズの国雪もあるよ」
「そうだよね」
「ほら、山を観て」
遠くにある山脈をです、ボタンは自転車に乗りながら指差しました。赤い山々の上にはです。
雪があります、それで白くなっています。
「あの通りね」
「うん、雪があるね」
「白い雪がね」
「あそこに行けば」
「雪があるよ」
冬のそれがというのです。
「あそこにね」
「そうだね、確かに」
「だからね」
「オズの国にいれば」
「それだけでね」
「季節の全部、いやさらにね」
「観られるよね」
カルロスに言うのでした。
「そうだね」
「うん、その通りだよ」
「季節があるのはいいけれど」
ボタンはさらに言いました。
「オズの国だとね」
「最初から全部観られるから」
「僕はそれでいいよ」
「そうだね、僕もね」
「オズの国がいいよね」
「オズの国もいい、かな」
「オズの国も?」
「外の世界もよくてね」
その季節がです。
「オズの国もね」
「どっちもなんだ」
「うん、いいね」
こう言うのでした。
「そう思うよ」
「どっちがよりいいかじゃないんだね」
「どっちも同じ位ね」
いいというのです。
「僕はいいと思うよ」
「成程ね」
「うん、ただね」
ここで森を抜けて今度は草原に出ました、そこはカドリングの草原なので奇麗な赤い臭が絨毯みたいに広がっています。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ