第九幕その八
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「だからわしはよく知っておる」
「それで、ですね」
「案内役をさせてもらう」
「じゃあお願いします」
「そういうことでな、ではわしはな」
王様は傍にあった自転車を手に取りました、そして。
他の皆もです、これはと思う自転車を取ってでした。
それぞれ乗りました、そうして出発しました。王様は自分で言った通り先導役を務めて出発しました。ここで、です。
恵梨香がです、ふとこうしたことを言うのでした。
「私とナターシャはスカートですね」
「ええ、私とジュリアもね」
オズマが恵梨香の隣に来て応えました。
「そうね」
「はい、けれど何か」
「運転しやすいっていうのね」
「普通ズボンの方が動きやすいです」
自転車に乗る時はというのです。
「ですが」
「それでもこの自転車はね」
「普通にです」
本当にズボンに乗っている時と同じ位にです。
「動けます」
「これもオズの国の自転車なのよ」
「こけることがなくて、ですね」
「どんな服でも軽やかに運転出来るの」
「そうなんですね」
「魔法がかけられているから」
それで、というのです。
「そうして動けるの」
「あっ、だからですか」
「そうよ」
オズマはにこりと笑って恵梨香に答えました。
「そうなっているの」
「そういうことですか」
「オズの国は科学と魔法があるわね」
「はい、どちらも」
「科学と魔法を合わせるとね」
「そうした凄い自転車になるんですね」
絶対にこけなくてしかもどんな服でも軽やかに運転出来る。
「そうなんですね」
「そうよ、じゃあね」
「はい、今日はこの魔法の自転車に乗って」
「ツーリングを楽しみましょう」
「わかりました」
「いや、今日もね」
ここで言ったのはカルロスでした、誰よりも楽しそうに自転車に乗ってそのうえで運転しています。青空も周りも観ています。
「いい天気だね」
「そうだよね」
ボタンも一緒です、それでカルロスに応えるのでした。
「とてもね」
「うん、ボタンもね」
「自転車に乗ってるよ」
「そうだね」
「僕歩くことが多いけれど」
それでもというのです。
「自転車もいいね」
「そういえばオズの国で自転車は」
「あまりないよね」
「そうだよね」
カルロスはボタンの言葉に頷いて応えました。
「皆歩く方が多いね」
「ずっとね」
「皆行き来出来る場所で暮らしてるからかな」
「そういえばそうだね」
「うん、お店とかなくてもね」
オズの国ではです。
「すぐ傍に行くと何でも生えていたり実っていて」
「お弁当とかね」
「洗剤もね」
そうしたものが全てです、お野菜や果物の様に。
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