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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#23
戦慄の暗殺者\ 〜Metamorphoze〜
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飛刀の腹を片手薙ぎ払いで何とか弾く。
 灼けた金属音を響かせ紅蓮の軌跡を描きながら宙を舞う “贄殿遮那”  
 しかし安堵する間もなく、激痛。
 投擲するとほぼ同時に姿勢を低く両腕を交差して
死角から駆け込んで来ていたシャナの、
振り解きと共に放たれた痛烈な生の飛び膝蹴りが
フリアグネの左頬にメリ込んだ。
 口内で無理矢理軋らされた歯と肉とが耳障りな潰滅音を立てる。
「グァッ!!?」
「ご主人様ァァ!!」
 主の苦悶と従者の悲痛な叫びが同時に上がる。
 表情は前髪に阻まれて伺えないが、
確かな手応えを感じたシャナは宙を舞う大刀を飛び上がって掴み
その手に戻す。
「……」
 フリアグネは今度こそ完全に意識を断ち切られ、
まともな体術すら使えないまま瓦礫の海に鋭角の軌道で着弾した。
 そして衝撃の余波で荒れた海面に細身を引き擦られながら
自分の焔儀によって倒壊したフェンスの残骸に粉塵巻き上げて衝突し
尚も勢いは止まらず後ろの縁に激突してようやく止まる。
 だがその 「左手」 だけは、無意識状態にも関わらず
左胸の部分 「だけ」 を庇うように前屈の姿勢で(あて)がわれていた。
「……」
 生まれて初めて、地に伏した状態で自分の起こした封絶を
見上げる事になったフリアグネ。
 感慨は何も湧かずまるで夢の中にでもいるかのよう。
 そのグラつく視界の頭上から、忌まわしき者の声が静かに到来した。
「随分お上品な戦いに慣れすぎてるようね?
『決闘』 でもしてるつもり?
「戦場」 の剣技(けん)は剣だけじゃない、
“足” も使うのよ?」
 響き渡る高潔な声の主は、遙か遠くで横たわる己を見下ろしていた。
「討滅の道具」 と侮蔑していた矮小なる存在に、それも年端もいかぬ小娘に、
二度も地に這わされるという 「屈辱」 に、半ば放心状態で空を仰ぐフリアグネ。
 まるで先刻のシャナをトレースするが如く、
虚ろなる表情で封絶の紋字と紋章を見つめている。
「ご主人様ァ……」
 その彼の胸元で、最愛の恋人が両手で口元を押さえ、
今にも泣き出しそうな声で語りかけてきた。
「……ッ!」
 その儚くも甘い囁きに、フリアグネはハッと我に返る。
 そしてその者の熱を感じ、パールグレーの瞳を滲ませる。
(ありがとう……私のマリアンヌ……君はいつも……
私に…… 「勇気」 をくれる、ね……?)
 そんな想いが、胸の中の屈辱感を洗い流した。
 そう、強者と戦う事は何も今日が初めての事ではない。
 紅世の “狩人” を生業として生きる以上、常に争いは避けられなかった。
 でもいつだって、胸元のマリアンヌと共に戦い、
共に今日まで生き抜いてきたのだ。
 ソレは、ソレだけは、決して変わる事はない。
 今までも
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