第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#23
戦慄の暗殺者\ 〜Metamorphoze〜
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【1】
「オッッッッッラアアアアアアアアアァァァァァァァ―――――――ッッッッ!!!!」
白蓮で覆われた両手長剣を携える王の頭上から、
燃え盛る断頭台のように敲き堕とされたシャナ渾身の一撃。
飛翔斬刀術と炎の戦闘自在法の融合技。
天翔の灼刃、 『贄殿遮那・炎牙ノ太刀』
「クゥッ!」
凄まじい熱気と共に唸りを上げて頭蓋に迫る一刀に対し、
フリアグネは即座に対空迎撃の構えを執り
両掌から細かな紋字を描く自在式を刀身内部に送り込んで
刃とソレを覆う炎を同時に強化する。
そして撃ち堕としの斬刀を研ぎ澄まされた戦闘神経で捉え
長剣の 樋 部分で受け止める。
ギャッッッッッグァアアアアアアアアァァァァァァァッッッッ!!!!
強烈に灼けた刃鋼と刃鋼の空中衝突と共に
鼓膜を劈くように響く炎斬吼。
空間に吹き荒ぶ、死を司る火線の狂騒。
伝わる衝撃でフリアグネの手袋が引き裂け、
冷たく硬質な痺れが両腕に流し込まれ、
構えた右の肘が意図せずカクリと落ちる。
「ッッ!?」
想わぬ躰の造反に一瞬瞳の虹彩を失うフリアグネ。
(こいつ……本当に……満身創痍の一体どこにこんな力が……ッ!)
「ァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアア―――――――――――!!!!」
辟易しきった表情で歯を食いしばるフリアグネが想う間にも
シャナは刃の交叉点に中空に浮いたままの状態で尚も強引に
圧力を捻じり込む。
そし、て。
「ッッッッッッラアアアアアアアアアァァァァァァァ―――――――ッッッッ!!!!」
炎の咆吼と同時に先刻同様大刀の一撃が強烈に振り抜かれ、
空間に三日月状の火線を描きながら灼熱の突風と斬刀が長身痩躯の躰を吹き飛ばす。
「ッッ!!」
斬刀の衝撃で風に舞う薄紙のように
空を仰ぐ形で弾き飛ばされたフリアグネ。
「―――――――ッッッ!!?」
その視界に、一瞬の暇もなく飛び込んでくる紅蓮の刀身 「本体」
(な、に!? 『投擲術』ッッ!! このタイミングでッ!?)
フリアグネを 『炎牙ノ太刀』 で吹き飛ばした直後、
既に放物軌道を算出していたシャナが微塵の躊躇もなく
己が愛刀を標的に向けて撃ち放っていた。
武器強い執着を持つ 「刀剣使い」 らしからぬ思い切りの良さ。
先刻同様シャナ 「本人」 が飛び込んで来るモノだと想っていた
フリアグネの思惑は外れ、更にその動作に慣れすぎていた所為も在り
若き王の躰を純粋な脅威が貫く。
三度、その耽美的な美貌に唸りを上げて迫る紅蓮の飛刀刃。
(クゥッ! う、動けッ!)
フリアグネは 『炎牙ノ太刀』 で麻痺した右手に
在らん限りの意志の力を神経末端部に集束させ、
真下から
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