渡り鳥が忘れた、古巣【C】
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トの上で、飛び跳ねていた。魁は子供達に、ノートパソコンを教えた。ノートパソコンは、青年議員の市役所の職員が、以前、使用していた物だった。市役所では、予算を使い果たす為に、少し古くなった備品は、新しい物に取り替えるのが、慣習に成っていた。備品は、未だ、使用可能な物が大半で、市役所の倉庫に、山積みにされていた。職員の話しに依ると「廃棄処分にしたいが、処理業者に支払う予算までは、無いので、仕方なく、倉庫に移動してある。職員の仕事は、予算を、節約するのではなく、使い切る事です」との、話だった。青年議員の魁は、勿体ない、節約した予算は、市民に還元出来ないのか?と思っていた。市役所の職員に、青年議員の魁「市内の小中学校にIT教育の為に、このパソコンを譲って上げたら?」と、言ったら「市役所は、各部署に、予算が有ります。各部署が、部署の予算内で購入した物を、他の部署に譲る事は、出来ません。教育委員会にも、小中学校にも、各々、決められた、予算が有ります」との、職員の返事だった。青年議員は、縦割り行政の、弊害を感じた。ノートパソコンは、青年議員の魁が、無償で、払い下げして貰い、今回の旅行で、フィリピンに、持ち込んだ。魁のパソコン授業は、ジェスチャー授業だったが、孤児院の子供達には、可なり、伝わった。孤児院には、Miss.MILAI(未来)専用の、古いディスクトップのパソコンしか、無かった。青年議員は、パソコンを、室内のWiFiに接続した。子供達は夢中に成って、インターネットに、見入っていた。Mary(メアリー)も、興味、深々で、インターネットを見ていたので、青年議員の魁は、肝心のMary(メアリー)と、会話が出来なかった。その夜、青年議員の魁は、深夜まで、子供達の、インターネットに付き合っていたの、大部屋に泊まってしまい、翌日の、朝食バイキングには、大部屋の全員が、相当遅れてしまい、食べ物が、僅かしか、残っていなかった。
その日、一行は、出発が遅れ、昼過ぎに成って、マニラの名所を回り、夕方、マニラ湾を訪れた。夕日の美しさに、一行は、目を見張った。色々な食べ物の露天商が、軒を並べて居た。MARIA(マリア)は昔、ここでMiss.MILAI(未来)と、始めて出会った昔を、想い起していた。その時Miss.MILAI(未来)は、置き引き泥棒の自分を、咎め(とがめ)もせずに、露店で買ったサンドウィッチをくれた。MARIA(マリア)は、明弘と一緒にベンチに座っている、Miss.MILAI(未来)の横顔を、見詰めた。孤児院の子供の一人が、Miss.MILAI(未来)傍に来て、駄々を捏ねた。Miss.MILAI(未来)は、優しく微笑み、子供を宥めていた。ストリート・シンガーが、唄い始めた。青年議員の魁は、Mary(メアリー)と、一緒にベンチに座った。Mary(メアリー)が、パ
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