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渡り鳥が忘れた、古巣
渡り鳥が忘れた、古巣【B】
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MARIA(マリア)は、翌日から、同僚のフィリピ―ナと一緒に、昼間は弁当屋で働き、一時(いっとき)アパートに戻ってから、夜はフィリピンパブで働き、帰りはいつも、深夜の1時を回る生活になった。弁当屋は奥に、従業員用の休憩室が在り、DREAM(ドリーム)は何時も休憩室で、テレビを見たりゲームをしたりして、一人でMARIA(マリア)の仕事が終わるのを、待っていた。MARIA(マリア)は、時間が空いたら、常に、奥の休憩室に足を運んだ。弁当屋から、夕食の弁当を貰い、アパードで、二人で食べ、夜、MARIA(マリア)がフィリピンパブに出勤すると、DREAM(ドリーム)は、アパートで一人、フィリピンのアニメを見て、過ごした。MARIA(マリア)が、フィリピンパブから帰宅すると、何時も、DREAM(ドリーム)は、眠りに付いていた。フィリピンパブでのシンガーの仕事は無く、MARIA(マリア)の仕事は、単なるホステスだった。弁当屋はファーストフードの店で、MARIA(マリア)は昼前に出勤し、夕方まで働き、その後は、学生アルバイトが勤める、ローテーションだった。そんな日々が、続いていた。ある日、DREAM(ドリーム)は、キティのポシェットから、200ペソの紙幣を取り出し、MARIA(マリア)に渡した。「MARIA(マリア)に、このお金、上げるから、夜、MARIA(マリア)と一緒に居たいの」と、DREAM(ドリーム)が言った。MARIA(マリア)の目に、涙が溢れ出た。幼いDREAM(ドリーム)には、夜、アパートで、一人で居るのが、寂しかったのだ。「ごめんね。MARIA(マリア)、頑張るから、もう少し我慢してね」と、MARIA(マリア)が言うと、DREAM(ドリームは「分かった」と、小声で頷きながら言った。MARIA(マリア)は、DREAM(ドリーム)を抱き締めた。
直弘は、毎日、農場で、農作業に励んでいた。ある日彼は、市内に、フィリピ―ナで70年代前のポップスを、唄う店が在る噂を、仲間から聞いた。何時もの様に、古民家で夕食を食べ終えてから、彼は、そのフィリピンパブに、向かった。店は未だ閉まっていて、開店時間は8時だった。直弘は、店の前で待った。彼は開店と同時に、店に入った。ソファーに座り、店のスタッフに、唄の上手い、フィリピ―ナを指名した。直弘の席に、フィリピ―ナが来た。彼女は、中肉中背の小麦色の肌をした、美人のフィリピ―ナだった。彼女は、Miss.MILAI(未来)から教わった、不慣れな日本語で、名前を「MARIA(マリア)です。宜しく」と、言った。元JATCの社員だった直弘は、自分の名前を「my name NAOHIRO」と、流暢な英語で彼女に教えた。二人の会話は、英語に変わった。日本に来て、未だ、間が無いMARIA(マリア)は、始めて、客と、真面(まとも)に話が出来た。会話が
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