渡り鳥が忘れた、古巣【B】
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ベットが一つで、小さく質素だった。室内に、Miss.MILAI(未来)と、孤児院の子供達の写真が、貼って在った。DREAM(ドリーム)は、不思議そうに、写真を眺めていた。MARIA(マリア)は、Miss.MILAI(未来)の写真にキスをして「おやすみなさい」と、言った。二人はベットに入り、MARIA(マリア)はDREAM(ドリーム)に、子守唄を唄った。暫くするとDREAM(ドリーム)は、眠りに付いた。天使の様な、寝顔だった。
翌朝、MARIA(マリア)が起きると、DREAM(ドリーム)は、未だ、熟睡状態だった。とても可愛い寝顔だった。昨夜、遅かったからと思い、MARIA(マリア)は、そのままDREAM(ドリーム)を寝かして置いた。そして、自分は部屋の掃除や、洗濯を始めた。昼頃、要約、DREAM(ドリーム)は目覚めた。「おはよう、御飯、買いに行こう」と、MARIA(マリア)が言い、二人は、近くのテークアウトの店に向かった。料理を持ち帰り、部屋で食事を摂り、ナイト・クラブの開店時の、相当まえの時間帯に出勤して、店の前で、DREAM(ドリーム)の母親の帰りを待った。MARIA(マリア)には、若しかして母親が戻るのでは?と云う、微かな期待が有った。MARIA(マリア)がステージに立っている間は、DREAM (ドリーム)は楽屋に居た。ナイト・クラブのオーナーも、二人に寛大だった。そんな日々が、4・5日、続いた。しかし、母親は、現れ無かった。MARIA(マリア)はDREAM(ドリーム)に「これからは私の事、MARIA(マリア)様ではなく、様を取って、MARIA(マリア)と呼んで欲しいの。DREAM(ドリーム)ちゃんの事も、ちゃんを取って、DREAM(ドリーム)と呼ぶから」と、言った。DREAM(ドリーム)が「分かった」と、返事した。最近、ナイト・クラブに月に、二・三回、中年の、日本人の客が来る様になった。彼は、店に来る度に、常に、Sleepy Lagoon(スリーピー.ラグーン)と、Endless Love (エンドレス・ラブ)と、I'm Sorry(ごめんなさい)の三曲を、MARIA(マリア)にリクエストした。彼は、何時も一人客席で、MARIA(マリア)の唄を、目を閉じて聴いていた。彼女が、Sleepy Lagoonを唄う度に、彼の目に、光る物が見えた。MARIA(マリア)は次に、ステージと、客席の彼とで、Endless Loveをデユッエットで唄った。最後に、I'm Sorryを唄った。そして、二回目のステージが終るとMARIA(マリア)の傍に来て、1000ペソのチップを渡し、「有難う」と頭を下げ、フロアーを背にするのが、彼のパターンだった。MARIA(マリア)も、ステージから「Thank you」と、返すだけで、他の会話は全く無かった。MARIA(マリア)には、
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