渡り鳥が忘れた、古巣【B】
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母の治療費は、有りません。私は、母の看病で働く事が、出来ません。私は疲れました。DREAM(ドリーム)は残して、私と母は一緒に、天国に行きます。残されたDREAM(ドリーム)を、助けて下さい。宜しく、お願いします]と、書かれていた。MARIA(マリア)は、手紙を握り締めた。彼女の目に、涙が溢れた。「
MARIA(マリア)様、泣いて居るよ。如何したの?」と、DREAM(ドリーム)が聞いた。「何でも、ないの」と、ハンカチで涙を拭きながら、微笑み、MARIA(マリア)は、夜空を見た。スコールが通り過ぎた夜空は星、で一杯だった。
MARIA(マリア)は、孤児だった、自分の過去を、想い浮かべていた。幼少期の或る日、MARIA(マリア)は、マニラ湾の椰子の木陰に、身を潜めて居た。今日、MARIA(マリア)は、未だ、何も食べて無かった。お腹が空いた。海岸のベンチに、チェックのシャツを着た、一人の若い女性が座って居た。女性の脇に、リュックサックが有った。若い女性が、サンドウィッチを買う為に、ベンチを立った。MARIA(マリア)は、ベンチに近付き、リュックサックを背負い、走り出した。5歳のMARIA(マリア)には、リュックサックは重かった。足が、フラついた。10b走って、MARIA(マリア)は転んだ。膝から、血が噴き出した。MARIA(マリア)は、立ち上がる事が、出来なかった。MARIA(マリア)の前に、人影が在った。チェックのシャツを着た女性だった。女性は「御免ね。リュックサックの中には、食べ物は入っていないの。これ食べて」と優しく言い、先程、買ったサンドウィッチを、MARIA(マリア)に差出した。「血が、出ている」と、女性は言い、ハンカチで、MARIA(マリア)の膝を拭き、次に、ハンドタオルを引き裂き、包帯替わりに巻いた。「痛かったでしょう。歩ける?」と、女性は優しく聞いた。MARIA(マリア)は「大丈夫」と言い、サンドウィッチに、むしゃぶり付いた。女性は「ちょっと待って居てね」と言い、今度は、ホットドックとジュースを、買って来た。MARIA(マリア)は、それも即完食した。「私は日本人で、MILAI SUZHUKI(未来 鈴木)と云うの、貴方の名前は?」と女性は、微笑みながら聞いた。「名前は無い」と、MARIA(マリア)は答えた。「何歳ですか」と、女性は聞いた。「知らない」と、MARIA(マリア)は答えた。MARIA(マリア)の顔は、煤け(すすけ)、衣服はボロボロだった。孤児のMARIA(マリア)は、常日頃、ゴミ箱を漁って、食い繋いでいた。女性は「私と一緒に、行こう」と言い、MARIA(マリア)を、背負い自分の宿舎に、連れて来た。女性はMARIA(マリア)の体を、シャワーで洗い、まず、自分のTシャツに、着せ替えた。Miss.MILAI(未来)は、日本の青年海外協力隊(
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