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魔女に乾杯!
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第二十七話

                  第二十七話  鏡の部屋
 赤音が連れて来られたのはミラーハウスであった。鏡の壁で作られた迷路であった。
「ここで・・・・・・?」
「そうよ」
 葵は答えた。
「ここなら赤音の光の魔法の修業にピッタリでしょ。だから連れて来たの」
「そうだったの」
「じゃあ後で迎えに行くからね。それまで頑張って」
「あ、お姉ちゃん何処行くの?」
「何処って?決まってるじゃない」
 姉はくすりと笑って妹に答えた。
「デートなのよ。それじゃ」
 そう言い残してその場を後にした。自分よりもまだ背の高い彼氏の手に抱き付いてミラーハウスを後にした。
「行っちゃった・・・・・・」
「何とまあ」
 二匹の使い魔はそれを見て呆気にとられていた。
「やっぱりデートだったんだね」
「けれど修業の場所を提供してくれただけでもよしとしますか。御主人」
 二匹は赤音を見上げた。
「じゃあ早速はじめましょ。用意はいい?」
「うん」
 彼女はそれに頷いた。
「何時でもいいよ」
「よしきた」
「じゃあ早速魔法を使っちゃって」
「じゃあ」
 彼女はそれに頷き右手にステッキを取り出した。そしてそれを前に向けて出した。
「えいっ!」
 光が飛び出た。そしてそれが一直線に鏡に向かう。
「むっ」
 二匹は目を瞠った。光はそのまま鏡に反射された。そして所々にぶつかる。
「おっと」
 二匹はそれを避ける。避けながら赤音を見る。
「赤音ちゃん、大丈夫?」
「うん、何とかね」
 赤音も光を避けながら言う。
「一つだからまだ何とかなるよ」
「一つだから」
 それにジップがピンときた。そして赤音に対して言った。
「ねえ赤音ちゃん」
「何?」
「これが二つや三つだったらどう?よけられる?」
「それは・・・・・・」
 ここでドジな赤音は足に当たってしまった。
「うっ」
「大丈夫!?」
「うん、何とかね」
 威力は抑えてある。傷もなく何とか無事に済んだ。
「ううん、一個でもやっぱり辛いなあ」
「御主人とろいから」
「こらっ」
 からかうハリーをジップが叱る。
「それはないだろうが、それは」
「悪い悪い。けれどこれで答えは出たんじゃないか?」
「答え?」
「そうさ」
 ハリーはニヤリと笑った。そして赤音と相棒に対して言った。


第二十七話   完


                   2005・7・22



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