第9話
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ゃし、貴族の子女にも負けぬ振る舞いや教養を身につけておるじゃろ?無理をしているわけではなくて。」
「そうですね……正直、凄いと思います。……ですが…………」
「人に頼らず何でも一人で解決しようとする……そんなところがあるじゃろ?」
「ええ……そんな風には感じていました。義理堅くて、人には親切で。でも、自分の事は人に頼らず全て一人で抱え込もうとする……」
学院生活でのアリサの今までの言動を思い出したリィンは真剣な表情で考え込みながら答えた。
「多分、あの子のそんな性分はワシと娘の仲が原因なんじゃろう。すなわち祖父と母親の対立が。」
「……!」
「ワシが所在を告げなかったのもそのあたりが原因でな……だがまあ、これ以上ワシの口から言うわけにはいかん。お前さんが孫娘とイイ仲になれば自然と教えてくれるじゃろ。」
「いい仲って……何か誤解していませんか?」
グエンがアリサと自分の関係について誤解している事に気づいたリィンは冷や汗をかいて答えた。
「おや、違うのかの?手紙でお前さんの名前を見たからてっきり何かあったかと思ったが。」
「いや、その……不幸な偶然はありましたけど。単なるアクシデントですし仲直りしてからは何も……」
「ほう、アクシデントか。登校途中にパンを咥えたあの子と曲がり角でぶつかりでもしたかの?それで偶然、ムフフでラッキーな体勢になったりしたとか!」
「な、何でそんなに意味不明に具体的なんですか。それにラッキーな体勢って――――!………………」
グエンの問いかけにリィンは戸惑った後入学式の後にあったオリエンテーションでのアリサとの”あるハプニング”を思い出すと黙り込み
「おおっ!?本当に何かあったのか!?それは詳しく、えぐり込むように聞かせてもらおうじゃあないか!?」
リィンの様子を見たグエンは興味ありげな表情でリィンに問いかけた。
「もう、お祖父様っ!」
するとその時グエンとリィンの様子に気づいたアリサが馬のスピードを抑えてリィンが走らせている馬と並んでグエンを睨んで怒鳴った。
「んー、あれって……シカンガクインの人達だ。何でこんな所にいるんだろう?」
一方その頃水色の髪の少女が遠くにある高い丘からリィン達の姿を確認して首を傾げ
「ま、いっか。何だか色々と面白くなりそうだし♪」
「―――――」
すぐに気を取り直して片手を天へと掲げた。すると少女の背後に銀色の人形兵器が現れ
「うん、それじゃあ任務、開始しちゃおっかな♪まったくオジサンたちも要求レベルが高すぎるよねー。」
「――――――」
少女は人形兵器の片腕に乗ってどこかへ飛び去った――――――
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