第9話
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。」
「……ふう、いいわよ。別に気を遣わなくっても。趣味人で、飄々としててみんなから愛されているけど気まぐれでいいかげんで……5年前だって……」
ユーシスとレンの自分に対して気を遣っている言葉を聞いたアリサは溜息を吐いた後複雑そうな表情でかつての出来事を思い出し
「アリサ……?」
その様子をリィンは不思議そうな表情で見つめた。
「ううん、何でもない。―――私達も行きましょ。すぐに集落に戻るでしょうし。」
「ああ、そうだな。」
その後リィン達はグエンと共に集落に戻る事になり、グエンの希望によってグエンはリィンの後ろに乗せてもらい、リィン達は馬で集落まで戻り始めた。
〜ノルド高原・夕方〜
「……まったく……どうしてリィンなのよ……ま、まさか変なこと吹き込まれてないでしょうね?」
馬を走らせているアリサは時折リィンの背後に乗るグエンを見た後ブツブツ呟いたが
「うふふ、あの愉快なおじいさんの事だからアリサお姉さんの昔の出来事とかを面白おかしく伝えていそうね♪」
「ちょっ、洒落にならない事を言わないでよ!?」
隣で馬を走らせているレンにからかいの表情で見つめられると疲れた表情で答えた。
「そうそう、そう言えばシャロンちゃんは元気かね?お前さんたちの寮で働き始めたと聞いたが。」
一方アリサの様子を気にしていないかのようにグエンはリィンに呑気な様子で尋ねた。
「ええ、俺も知り合ってまだ日は浅いですけど……すごく有能な人みたいですね。」
「有能というのは勿論じゃが、それ以上に可愛いじゃろ〜?慎ましくて可憐で、それでいて悪戯っぽい立ち振る舞い……く〜っ、ワシの専属メイドとしてこちらに来てほしいくらいじゃ!」
「は、はあ……」
グエンに同意を求められて答えに困ったリィンは戸惑いの表情で頷いた。
「ふむ、しかしあのレンちゃんもまるで天使のような可愛らしい容姿に加えて小悪魔な性格っぽい雰囲気をさらけ出しておって将来どんな美女になるのか今から楽しみで、ええの〜。お前さんもそう思うじゃろ!?」
「いや、確かにそう思わなくもないですけど…………………………」
答え難いグエンの問いかけに対して言葉を濁していたリィンは少しの間考えてグエンに会ってからずっと疑問に思っていた事を尋ねた。
「―――あの、グエンさん。どうして今までアリサに所在を教えなかったんですか?」
「ふむ……なあ、リィン君。お前さんから見たアリサはどんな子だと思う?」
「それは…………頑張り屋だと思います。その、色々な意味で。」
グエンに問いかけられたリィンは今までのアリサの事を思い出して答えた。
「ああ、そうじゃな。見ての通り器量良しじ
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