第23話『正々堂々』
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の要領で、上を走られた後ろの人の方からドンドン前に並び直すのだ。
よって、連携が大事になる競技なのだが・・・
「アンタたち遅いわよ!」
あまりの副部長の速さに列を作るのがギリギリのようだった。それでも、明らかに他クラスを圧倒した速さを誇っている。
背渡りはその性質上、上を走る人はできるだけ軽い方がいい。その点、小柄で身体能力の高い副部長はうってつけな訳だ。
「なぁ、うちの団長ってホント小さいよな?」
「うんうん。まるで小学生みたいな…」
「子供っぽくて可愛いな〜」
「でも結構気が強そうだぞ?」
「それがまた良いってもんだろ」
「あぁ…俺も背中踏まれてぇな…」
「うわ、お前そんな趣味が?!」
「良いんじゃねぇか? どうせ軽くて踏まれてることにも気づかねぇよ」
「そういう問題か?」
「おうよ」
「でもやっぱ・・・
「「「可愛いなぁ♪♪」」」
何か怪しい会話が後ろから聞こえた。
どうやら俺のクラスメートのようだ。
副部長って・・・モテるのか?
『ゴーール!!』
…なんやかんやで1位でゴールしたのは赤団だった。小さいって強いな。
*
「赤団はまだ1位か。順調順調」
「晴登、そんな呑気な事言ってられないよ。次は全学年参加の団対抗綱引き。点数大きいから、負けたらすぐに追いつかれるよ?」
俺が1位の余韻に浸っていると、莉奈が呆れたように言ってきた。わざわざそんな急かす言い方しなくていいのに。
にしても綱引きか。しかも全員参加となると魔術も影響が小さいだろうから使ったところでって感じだ。これは完全実力勝負になりそう。
「できれば使いたかったな…」
「何を使うの?」
「へ!?」
やべ、考えてることが口に出てしまったようだ。
早く弁解しないと、いくら馬鹿な・・・もとい、頭の回転が遅い莉奈でも怪しまれる!
「あ、いや〜その・・・秘密兵器?」
「何それ?」
あー俺の馬鹿!!
そんな意味深なこと言ったら、逆に気になるだろうが!
「そ、それは秘密かな…」
マズい、怪しい冷や汗が出てきた。
くそぅ、『魔術』というワードを守るだけでここまで気が滅入るのか…。ま、どうせ部活戦争の時バレるだろうけど。
「秘密ねぇ…。晴登のことだから、どうせ普通のこと考えていただけでしょ? 隠すこともないのに…」
どうやら危機を免れる方向に莉奈は解釈してくれたようだ。
危ない危ない…。友達が魔法使いとかなんて知れたら、いくら莉奈だろうと引く気がする。それで離れられるっていうのはホントに勘弁だ。
てか、『どうせ普通のこと』とは失敬な。
「悪い悪い。あ、
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