暁 〜小説投稿サイト〜
非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第23話『正々堂々』
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いよいよ体育祭が開幕した。
いつの間にか俺の家族も応援に来ていたが、今のところは気づいていないフリをしておくことにする。

最初のプログラムは、俺たち1年生の『100m走』である。ルールは単純で、100mを走り切るだけである。
しかし人類はこの距離に真剣に立ち向かい、そして勝利を取ろうとしてきた。
昔の俺には、そんな情熱はなかっただろう。

だが、今の俺には“勝利”という二文字が目前に見えている。この秘策なら絶対勝てる…!


「三浦、ホントにやんのか?」

「部長だって言ってただろ? 別に卑怯なことじゃないよ」


入場直前の整列中、暁君が俺に声を掛けてきた。内容は俺の秘策についてである。
それに俺は、あの時に部長から言われた事をそのまま返答に使った。


「でもよ…」


イマイチ“卑怯”という言葉が引っ掛かる様子の暁君。
首をかしげながら、俺の秘策について考え込んでいた。


「暁君が心配することはないよ。それより自分の事を心配したら? 走るの苦手なんでしょ?」

「うっ…」


俺は「心配」というワードを器用に使い、話を変えた。
実際、暁君の走りについては心配なのだ。

でもその言葉は地雷だったらしく、一瞬で暁君の目からは光が消えてしまった。


「どうせ俺は負けるんだ……無様に最下位で…」

「…は、走り切ることに意味があるんだ! ほら、最下位でも拍手が貰えたりするじゃん!」

「アレは哀れみの拍手だよ…」


急に随分とネガティブな思考へ移り変わった暁君。
俺が何を言っても、全て後ろ向きな意味になってしまう。俺の言葉が悪いのか?


「えっと…」

「…よしわかった。俺にとって体育祭は恥晒しの場だ。だから俺は、お前と同じ方法を取ることにした」


何かを決意したというような様子でそう言う暁君。
そして“俺と同じ方法”というのはアレしかない。


「てことは『魔術』?」

「おう」


そう、俺は今日の競技で魔術を使うことにしていたのだ。部室での会話に影響されて。
暁君は話を続けた。


「俺の属性なら多分、偶然を装って最下位が目立たなくなるすることができるはずだ」

「え、何でそこ1位じゃないの?!」


俺は真面目にツッコむ。
そりゃそうだよ。俺の魔術の使い方は1位を取るためのもので、決して最下位を目立たなくする訳じゃないよ!


「暁君は、自分は最下位確定と思ってるの…?」

「今までの体育祭の徒競走で最下位以外を取ったことは無い。だが今回はそれを目立たなくすることができる!」


今の衝撃告白から察せたが、きっと暁君は今までの徒競走は極端にビリだったのだろう。そして今回は、魔術を駆使
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