第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#22
戦慄の暗殺者[ 〜Rebirth Chronicle〜
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【1】
(ご主人様……ッッ!!)
白い封絶で覆われた学園屋上で繰り広げられた、
フレイムヘイズの少女と紅世の王との壮絶なる死闘。
その結末の一端を、燐子の少女は上空から見ていた。
「オッッッッッッラァァァァァァァァァ――――――――ッッッッッ!!!!!」
「バ……カ……な……ッ!」
白い光で満たされた屋上全体に響き渡る、灼熱の咆吼。
その躰を、その精神を。
そしてその存在全ての力を大太刀 “贄殿遮那” に込め、
渾心の一撃で刳り出されたシャナ極限の超絶技、
『贄殿遮那・星迅焔霞ノ太刀』
炎気、闘気、剣気、三種の気を融合させて具現化した
巨大な三日月状の討滅刃。
ソレが同時に込められた黄金の輝きを放つ生命光によって爆発的に超加速され、
火除けの宝具 “アズュール” が創り出す絶対火炎防御の結界障壁すらも
超越して突き破り、宝具ごと操者である “狩人” フリアグネの長身痩躯を
音を超えた速度で斬り飛ばし、二つに別れた躰を紅蓮の劫火が焼き尽くす。
さらに標的を討ち果たした紅蓮の刃は、それでも尚強力に存在を誇示し続け
背後の給水塔に激突して爆砕し、劫火に包まれた “狩人” の上に
砕けた残骸の豪雨を撒き散らした。
瓦礫の墓標に突き刺さる、巨大な鉄塊。
刻まれる、残骸の墓碑銘。
その一連の出来事を、定められた運命であるかの如く見据えていた、
今は燃え上がるような紅蓮の双眸に黄金の輝きを宿す一人のフレイムヘイズ。
その少女が紅蓮渦巻く大太刀を瓦礫の上に突き立て、
逆水平に構えた指先で破滅の墓標を差す。
「私達二人は最強よ!! 絶対誰にも負けないッッ!! 」
最早己を蝕む苦痛も煩悶も、その全てを精神が捲き起こす
黄金の旋風でに吹き飛ばしたかの如く、
一点の曇りもない表情でシャナは “狩人”の墓標に叫んだ。
「……主人……様……?」
紅蓮と白蓮。
二つの存在の終演を頭上から見つめる、燐子のか細い呟き。
真一文字に両断された紅世の王が、己が自在法により無から生み出した最愛の少女。
意志を持つ肌色フェルトの人形、マリアンヌの開かない口唇から痛切な叫びがあがった。
「ご主人様ァァァァァァァァァァ―――――――――――ッッッ!!!」
「ッ!」
その何よりも悲痛な声に、シャナはゆっくりと首だけ動かしてマリアンヌに向き直る。
そして、完全にいつも通りへと戻った凛々しき風貌で、
簡潔にしかし有無を言わさぬ強い口調で燐子の恋人に告げる。
「見ての通りよ。おまえの 『ご主人様』 は、たった今この私が討滅したわッ!」
「ウソ! ウソ! ウソよッッ!! 私のご主人様が! オマエなんかにッ!
フレイムヘイズなんかにやられたりするわけない!!
この私を置いて、一人死
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