第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#22
戦慄の暗殺者[ 〜Rebirth Chronicle〜
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ァァァァァァ!!」」
マリアンヌは灰燼で汚れてはいるが、端正な線は変わらない
フリアグネの頬に抱きつきフェルトの頬、否、全身を寄せる。
「マリアンヌ……」
フリアグネは舞い戻った最愛の存在に、
すべすべしたフェルトの肌触りに、己の怒りが急速に冷えていくのを感じた。
「すまない。私のマリアンヌ。君の前で取り乱したりして。
随分格好悪い姿を見せてしまったね?」
再び耽美的な光が戻ったパールグレーの双眸を、
フリアグネは愛しそうに細め、マリアンヌを切なげに見つめる。
「そんな事はありません! アレだけの凄まじい宝具の自在法を受けても
御無事だったんですもの! やっぱり私のご主人様は偉大なる紅世の王ですッ!」
「マリ、アンヌ……」
嬉々として高揚を叫ぶマリアンヌにフリアグネは若干照れたような、
そして幸福そうな微笑を口唇に浮かべた。
「感動の再会シーンは終わった? ならとっとと始めたいんだけど。
悪いけれど急いでるから」
凛としたシャナの声が、灼けたフリアグネの素肌に響く。
言っていることは戯れではないらしく、
苛立ったように灼けた靴の爪先をコツコツと鳴らしている。
「マリアンヌ」
宿敵の声からも護ろうとするように、
フリアグネは手中のマリアンヌを純白のスーツ、
その左ポケットにそっと入れた。
「ご主人様……」
スーツ越しに主の熱を感じながら、
マリアンヌはポケットの中にすっぽりと収まる。
フリアグネは先程と同じような瞳で一度自分を見つめ、
“大丈夫” と口唇の動きだけでそう告げた。
「正直討滅終了かと想ったけど、意外にシブといわね。おまえ?
真っ二つに両断した躰も、いつのまにか繋がってるみたいだし」
シャナの鋭い視線を真っ向から受け止めたフリアグネは、
落ち着きを取り戻した表情で言葉を返す。
「マリアンヌの為を想い、万が一に備え “私のホワイトブレス” に
編み込んでおいた治癒系自在法。よもや “私自身の為に使う事” になろうとはな。
確かに少々貴様を見縊っていたようだ。
アラストールのフレイムヘイズ。 “炎髪灼眼” 」
「フッ、おまえは自分の手を汚さず勝つ事に慣れすぎてるのよ。
だから不測の事態には対処が遅れるし、目の前の敵を侮って過小評価する。
おまえの最終標的は『星の白金』 空条 承太郎かもしれないけれど、
今、おまえの目の前に居るのはこの私、
『紅の魔術師』 空条 シャナよ」
そう言って少女は微笑を浮かべたまま、挑発的に見据え返す。
「後先の事ばかり考えず、目の前の標的を討滅する事にまずは集中するべきだったわね?
今の自分の惨状をみれば、やはりおまえは “アノ時” 私に止めを刺しておくべきだった」
「……」
余裕に充ちた表情と忠告紛いの言葉
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