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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#22
戦慄の暗殺者[ 〜Rebirth Chronicle〜
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の籠もった声を零す。
 そして、くるりと身を翻して振り返り、ふわりと揺れる黒衣の中
細く小さな顎をやや高く持ち上げ、遙か高見から見据えるような表情を執る。
「やれやれだわ。 “狩人” 」
 アイツ譲りの剣呑な瞳で、不敵にそう告げる少女。
 そして、ゆっくりと開いた右手を前に差し出すと。
「おまえ? 同じ事を二度言わせないでほしいわね?
“一度で良い事を二度言わなければならないというのは……”」
言葉を紡ぎながら、差し出した右手を素迅く反転させる。
「“そいつの頭が悪い” っていう事よッッ!!」
 紅蓮の双眸を精悍に見開き、もうすっかり定着した逆水平の指先で
堕ちた紅世の王を鋭く差す。
「――ッッ!!」
 想わぬ言動に、フリアグネは怒りで思考が停止し、
絶句する事を余儀なくされる。
 その王に対し、シャナはあらん限りの咆吼で、
己が全存在を指先から刻みつけた。 
「私の名前は “空条 シャナッッ!!”
「同胞殺し」 でも 「討滅の道具」 でもないッッ!!
もう二度と間違えるんじゃあないわッッ!!」


 
【2】

 白い封絶が、鳴動する。
 不可思議な紋字と紋様が、火の粉と共に噴き散る。
 まるで、その法者の心中を代弁するかの如く。
「キサ……マ……!!」
 屈辱に身を灼き焦がし、憎悪の籠もった瞳でシャナを睨め付ける
紅世の王 “狩人” フリアグネ。
 しかし、狂気の対象であるフレイムヘイズの少女に、
最早その存在は映っていない。
“アイツ” 譲りの剣呑な瞳で、つまらないモノでも見るかのよう、
明後日には屠殺(とさつ)される家畜を(すが)めるような冷たい視線だった。
 そして少女は、全身から発せられる殺気など意に返さぬといった様子で、
フリアグネとは視線を交えずに言う。
(うずたか) く積まれた瓦礫を跡形もなく粉砕するなんて、大したパワーね?
その “手” じゃ薄氷一枚砕いた事が無いんじゃなかったっけ?」
「黙れッッ!!」
 フリアグネは乱暴に長衣を振り払い、
全身から血の代わりに飛び散る白い炎を撒き散らしながら
憎悪に充ち充ちた声をシャナに浴びせた。
 そんな殺伐とした空気の中。
「ご主人様ァァァァァ―――――――――――ッッ!!」
 宙に浮いたフェルトの人形、“燐子” マリアンヌだけが
歓喜の声を上げる。
「ッッ!?」
 予期せぬ存在の介入に、フリアグネは一瞬怒りを忘れ
その双眸を無垢な少年のように丸くする。
「ご主人様ァァァァァァァァァ――――――――――――ッッ!!」
 悦びを押し隠せない声で、マリアンヌは白い燐光で尾を引きながら宙を滑るように駆け
フリアグネの眼前に舞い降りる。
「マリ、」
「御無事で何よりですッッ!! ご主人様ァ
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