第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#22
戦慄の暗殺者[ 〜Rebirth Chronicle〜
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初めて逢った日に、ジョセフ達と一緒に行った、アノ喫茶店に。
正直疲れたし、お腹も空いた。
この前は頼めなかったものを、片っ端から網羅しよう。
勿論、アイツの “オゴリ” で。
自然と溢れてくる笑みをシャナは自分でも可笑しいなと想いながら
かみ殺し、でも巧くいかないので仕方無しに笑顔のまま
足下の毀れたコンクリートを蹴って駆け出す。
(いま……すぐにそっちへ行く……ッ! だから、待ってて……!)
“ジョジョッッ!!”
何故か心の中から自然に浮かんできた、
でも確かに今自分で決めた彼の綽名を口ずさみ、
駆け出したそのシャナの背後。
堆く積み上がった残骸の墓標。
それが突如、何の脈絡も無く弾けた白い閃光と共に激砕する。
鳴動する破壊空間に、不可思議な紋字と紋章を迸らせながら。
そし、て。
けたたましい破壊の残轟と同時に湧き上がる、狂気と憎悪に充ち充ちた怒号。
「がああああああああああああァァァァァァァァァァァァァッッッッ!!!!」
「ッッ!!」
振り向いたシャナの眼前で、白い閃光の放つ強大な衝撃波によって、
直上に吹き飛ばされ粉微塵となって爆砕する無数の瓦礫。
まるで薄紙のように引き裂かれる、最上部に突き刺さっていた給水タンク。
その砕かれた灰燼の嵐の中に浮かび上がる、白い光のシルエット。
白炎を司る、壮麗なる紅世の王。
今は、シャナの超絶技と瓦礫の豪雨に存在を悉く蹂躙され、
耽美的な風貌も雰囲気も完全に粉砕された “狩人” フリアグネ、その無惨なる姿。
上質のシルクで仕立てられた純白のスーツは斬衝と焦熱で至る所がズタボロに
引き千切られ、残骸の余燼にまみれて惨憺足る有様になっている。
まるでたった今、シャナの手によってこれ以上ない位に討ち砕かれた、
彼の誇りを象徴するかのように。
そして、心身共に蹂躙され尽くしたその純白の貴公子は、
先刻までと同一人物とは想えないほどの、
まるで煮え滾る黒いマグマのような憎悪を全身から放ち、
そして空間が罅割れるかのような狂声を
歯を剥き出しにしてシャナに浴びせた。
「貴様ァァァァァァァァァッッ!! フレイムヘイズゥゥゥゥゥゥゥゥ!!
この 「討滅の道具」 風情がよくもッッ!! よくも “王” 足るこの私に!!
この私にィィィィィィィィィィッッ!!」
現世に顕在してより初めて体感する、
永い年月を賭して築き上げた誇りを跡形もなく
ズタズタに引き裂かれた 「屈辱」 に、
純白の貴公子は身を震わせて激昂する。
「ハァ……」
そのフリアグネに対しシャナは、苛立たしげに大きくため息をついた後、
「何、邪魔してンのよ……ッ!」
奥歯をギリっと軋ませ怒気
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