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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#22
戦慄の暗殺者[ 〜Rebirth Chronicle〜
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全てカバーされる。
(クッ……! この……ッ! 調子に……!)
 そう苛立ちながらもフリアグネは眼前のやや下方から次々と撃ち出される
紅い斬撃の嵐を、研ぎ澄まされた戦闘神経と手練の剣捌きでなんとか着弾を阻止、
己の周囲に 「結界」 でも張り巡らせたかの如く
全弾迎撃しながら眼下のシャナを見据える。
 炎撃のブツかり合う炸裂音と飛沫を上げる火花が絶え間なく錯綜した。 
「いつまでも調子に乗るなッッ!! この愚か者が!!
愚直に前へ出るだけで、この私に勝てると想っているのかァァァァァ!!」
 そう叫ぶとフリアグネはシャナが三種連続で撃ち出した斬撃の内二つを
長剣の斜面で受け、最後の一つを躰を僅かに反らしただけの
華麗な体捌きにより紙一重で躱し、即座に手にした両手剣の柄に
軸足から体幹を経由させて集束した力を込める。
「ハアアアアアアアアァァァァァァァァッッッ!!!」
 そして清廉な掛け声と共に鋭く蹴り足を半円を描いて転回させ、
更に生まれた力を腰の捻転と肩の廻転とで強力に増幅させた一撃を
空間を断ち斬るかのような勢いでシャナの頭上から撃ち落とす。
「!」
 ギャッッギィィィィィィィッッ!!
 シャナはその断空の一撃を小柄な体躯を利用して
一瞬速くフリアグネの間合いに踏み込み、
斬撃が最大の威力を発揮する地点へ達する前に
素疾く大刀の(なかご)に近い部分で受け止める。
 一転。
 少女は暴風のような乱撃の余韻を露も遺さず掻き消し、
その身体能力に裏打ちされた高度な防御術で “狩人” 渾身の一撃を受け止めた。
 高速移動が巻き起こす旋風が、黒衣とスーツの裾を揺らす。
「―――――ッッ!!」
「―――――ッッ!!」
 そして再び激突する、互いの想念。
(おまえは、赦せない! 赦さないッ!
私自身の事じゃない! もうそんな事どうでもいいッ!)
 誰かを心から想えるコトによって、始めて生まれる真実(ほんとう)の強さ、
ソレが少女の裡で爆発する。
(でもアイツなら! きっとおまえの事を!
“おまえのしてきた事を” 赦さない筈!
だったら私も赦さない! なんだか知らないけどさっきからッ!
おまえの存在自体が頭に来て仕方がないのよ!!)
 フリアグネはその全身から発せられる強烈なプレッシャーと、
瞳に宿る閃光のような煌めきに戦慄する。
(な、なんだこいつは!? こいつのこの “眼” は!?
今まで討滅したフレイムヘイズの中にこんな眼をしたヤツは一人もいなかった!)
 そう、今までフリアグネが斃してきたフレイムヘイズは、
それぞれ人種も性別も操る炎の色彩も異なる中、
ある一つの 「共通点」 が在った。
 その 「共通点」 を利用し、或いは逆手に取り、
フリアグネは今日まで勝利し続けて
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