暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
機動戦艦ナデシコ
1402話
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うね。あたしがやるのは、その芽が伸びるのを少しだけ早める手伝いだけよ」
「……そんなに才能があるの?」
「そうね。ただ、この世界は才能があるだけで上に来る事は出来ないのよ。才能があって、その上で努力をして、そんな人達の中から選ばれたほんの一握りの人だけがトップシンガーになれるの。……まぁ、時々実力もないのに時流に乗る形で上に来る人もいるけど、大抵そういう人はすぐに潰れていくわね」

 そう告げるシェリルの瞳の中には、マクロス世界の芸能界でこれまで生き残ってきたが故の……それでいながら、銀河の妖精と呼ばれるだけ頂点に君臨し続けた者ならではの強い意思の光がある。

「随分とあのミーアって奴を気に入ったんだな」

 俺の言葉に、一瞬前まで浮かべていたシェリルの表情が小さな笑みへと変わる。

「そうね。気に入ったかどうかで言えば、間違いなく気に入ったんでしょうね。あの子の歌声は、確かに今はラクスにそっくりと言われてるわ。……けど、あのまま才能が伸びていけば、いつかミーアがラクスに似てるんじゃなく、ラクスがミーアに似ていると言われる日が来るかもしれないわね」

 ……へぇ。予想以上にミーアの事を買ってるらしい。
 ここまで買ってるとは思わなかった。

「まぁ、ラクスの場合は人に聞かせる歌じゃなくて、自分が歌いたくて歌ってる歌だし、その歌にしても最近は仕事の方が忙しいし、キラとの生活もあってあまり練習をしてないらしいけど」
「それを言うのなら、シェリルもアクセルとの生活で忙しいのではないか?」

 飲んでいた紅茶をテーブルの上に置きながら告げるスレイに、シェリルは一瞬だけ意表を突かれた表情を浮かべるも、すぐに笑みを浮かべて口を開く。

「あら、私の場合は公私をきっちりと使い分けているし、何より時間に関しては魔法球があるもの。……正直、シャドウミラーに所属していなければこうして恋人を作る事は出来なかったでしょうね」

 視線を俺の方へと向けて告げながら、小さくウィンクをしてくる。
 ……いやまぁ、嬉しいかどうかと言われれば嬉しいけどな。
 そもそも俺とシェリルでは、元々住む世界が大きく違う。
 片や銀河の妖精と呼ばれる程の歌手であり、片や軍事国家の代表……ただし当時はPMCの一パイロット。
 普通に考えれば、殆ど接点のない俺とシェリルが付き合えるようになったのは、偶然の力が大きい。
 俺とシェリルの初対面は、シェリルが偶然にも正体を隠してフロンティア船団の中を出歩いていた時に遭遇したというものだ。
 それからも何だかんだと縁があり、最終的には付き合うようになった。
 ……普通に考えれば、まず有り得ないような奇跡が何度も起こった結果だと言ってもいい。
 奇跡は起きないから奇跡なんだ……ってのが何かの台詞であったと思
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