第6話 火に油を注ぐ
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する。
「シロウ、モモヨ、よく解らんが余は此処から速やかに離れたい!」
『あ、ああ・・・』
『『ッッッッ!!!!?!!!???』』
何が起こったかと言えば、シーマは逃げるように走って学園を目指した。
そしてシロウと百代はどちらがかは分からないが、どちらかが相手の手を握ってそれに続いたのだ。
その光景に士郎と百代のファン達は血涙を流すように嫉妬した上に、はらわたが煮えくり返る程の憤激にも駆られた。
だが勿論その激情を叩き付けらずに、3人の背を見送ることしか出来なかった。
しかし彼ら彼女らは誓うのだ。
何時かチャンスが来た時、必ずや血の報復を決行すると。
ただ言うなら、これは報復とは言わないのでは?と言う疑問が尽きなかったが。
−Interlude−
川神学園がちょうど昼休みに入った頃、川神駅ではある2人の女性が周囲の注目を集めていた。
「ふー、予定よりも早く来れたなぁ!」
「お前が急かしたからだろう?」
ドイツの猟犬部隊、副隊長のフィーネ・ベルクマンとセイヨウニンジャのリザ・ブリンカーである。
彼女たちは相当数溜まっていた有給休暇を使い、隊長であるマルギッテには隠してある目的――――即ち、テルマとリザの憤りの元凶たる士郎の戦力及び素行調査に来ていた。
本音は単純に2人とも基本男嫌いなだけではあるが、提案した本人とは言えフィーネからすれば溜まったモノでは無い。
だが今現代は世界中で男よりも女の方が強い時代なのだ。特に若い世代は。
なので個人的な興味もあった。ドイツの猟犬部隊の隊長で“猟犬”と言う異名で呼ばれている神童、マルギッテ・エーベルバッハを下した男がよりにもよって年下と言う事実に。
(さて、どんな男なのだろうか?)
そう考えに耽っていると、リザが露骨に呆れた顔をしている事に気付いた。
「如何した・・・なんて聞くまでも無いか?」
「そりゃそうだろう?さっきから周囲の視線が俺達に集まってる。それだけじゃなく男どもは露骨に俺達の体を隅々まで値踏みするかのような目だ。ま、今までと同じだな」
これだから男はと、吐き捨てるリザ。
フィーネもリザ同様、同じような目で見られてきた事は幾度もあるが、彼女は鉄の自制心で呆れる事すらもせずに黙殺している。
「だがこの周囲の視線は私達の服装も関係している部分もあるだろう。これ以上目立ち続けても得など有りはしないし、予約していた宿に行くぞ」
「そうだなー。俺ら日本なんて初めてだし、旅館や料理が楽しみだなー!」
気を取り直して、2人は速やかのその場を後にするのだった。
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