暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜隻腕の大剣使い〜
第66話竜とスグ
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
死ぬ。嫌、そんなの絶対嫌。助けてーーー

「助けてお兄ちゃん・・・!!」























「スグ・・・!!」

「!?」

今、あたしを呼ぶ声が聞こえた。それもお兄ちゃんがいつもあたしに対して呼んでくれる呼び方。その声が聞こえた方向から腕が伸び、あたしを強く抱きしめた。その人はあたしの兄・桐ヶ谷和人ではなく、一緒にこのジェットコースターに乗っていたーーー

「竜くん・・・!?」

「スグ・・・ウプッ!絶対・・・オエッ!守る・・・!!」

ジェットコースターによって乗り物酔いになっていた従兄、神鳴竜くんだった。その彼は乗り物酔いに苦しみながら、落下するジェットコースターからあたしが落ちないように強く抱きしめている。『スグは絶対守る』ーーーそう繰り返し叫びながらーーー




******




あのジェットコースターの恐怖の時間が終わり、竜くんはーーー

「オロロロロロロロロロロロロロ!!!!!」

「竜くんしっかりして!!!」

ずっと我慢していた物を吐き出している。あたしが背中を擦ってみたら、少しずつ顔色がよくなっていった。

「直葉ちゃん、こんなオレが言うのもなんだけど・・・大丈夫か?」

「はい。おかげで助かりました・・・」

あの時竜くんが助けてくれなかったら、あたしーーー絶対死んでた。だからこうして地面に足を着けていられるのも、全部竜くんのおかげだもんーーーそういえば、竜くんはどうしてーーー

「竜くん・・・どうしてあの時スグって呼んだんですか?」

「え?」

竜くんはあの時、あたしの事をスグと呼んだ。お兄ちゃんと双子って事もあって、完全にお兄ちゃんと見間違えそうだった。もしかしたらーーー

「・・・オレ、無意識に・・・本能的にそう呼んでたのかもしれない」

お兄ちゃんと同じ血が流れてるからーーーDNAレベルであたしをそう呼んでたのかもしれない。

「オレさぁ・・・」

あたしがそんな考え事をしていたら、竜くんが口を開いた。口を抑えてるのは、口臭を気にしてるのかもしれない。そして放たれた第一声がーーー

「オレさ・・・何か心のどっかで、キミの事を妹みたいに思ってたのかもしれない。だから和人みたいに・・・キミを呼んだんだと思う」

「!!!」

この言葉はーーーあたしの心の奥まで染み込んできてしまっていた。この言葉がすごく、すごく嬉しくてーーー気が付けばあたしは、竜くんに抱きついていた。

「お、おい・・・」

「ありがとう・・・!ありがとう・・・!本当に・・・本当にありがとう・・・!」

助けてくれてありがとう。あたしを妹と思ってくれてありがとう。そ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ