第66話竜とスグ
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るし、安全な遊園地って言ったのはオレだもんな。相当な命の危険がない限り、オレもこの遊園地からは逃げるようなマネはしないーーーそう心に誓いながら、オレと直葉ちゃんはジェットコースターの乗り口の係員さんにフリーパスを見せた。
「では、こちらにサインをお願い致します」
『サイン?』
何か係員さんに何かを渡されたぞ。何々ーーー誓約書?
「このジェットコースターでは如何なる理由で怪我、もしくは死亡しようとも運営は一切の責任負いませんので、それを承諾するための誓約書にございます」
『それ海外でバンジージャンプする時に書くヤツ』
普通ジェットコースターに乗る時にそんなの書かねぇよ。何なの?このコースター人死ぬの?このジェットコースターは急行地獄行きの殺人エクスプレスなの?SAO程じゃねぇけど、かなりタチの悪いぞ。デスゲームか。誰が乗るかこんなモンーーー
「ありがとうございます。爽快な空の旅をお楽しみください」
結局書いちゃった。
「さあ早く乗りましょ?」
「う、うん・・・」
直葉ちゃんに急かされてオレはジェットコースターのシートに座った。コースター一機は一列二人乗りが六列の計十二人乗り。オレと直葉ちゃんは一番前の列に隣同士で座った。そして背もたれから安全バーを下げてーーー
【出発します】
出発のアナウンスと共にジェットコースターが動き、レールの上を走り出した。
直葉side
ジェットコースターなんて何年ぶりかなーーー多分、小学校低学年以来かな。その時は隣がお母さんだったけど、今あたしの隣には竜くーーー
「うっぷ・・・オエッ」
「え!?酔ってる!?」
竜くんがあたしの隣で酔ってる!竜くんって乗り物酔いするんだ!初めて知った!どうにか口の中に何かを抑え込んでるみたいに手で口を塞いでる!これってもしかしなくてもーーー今は絶対外に出しちゃダメ!
ガタン
「・・・あれ?」
今、ジェットコースターに乗ってからあたしが感じていた圧迫感が消えた。その原因はーーー安全バーが外れていた事だった。
「え!?やだ・・・!!」
何で安全バーが!?走行中に安全バーが外れるなんて絶対ありえない!こんなの死んじゃうじゃない!そんな事になったらこの遊園地の運営にもーーー
【私、桐ヶ谷直葉は如何なる理由で怪我、もしくは死亡しようとも主催者・責任者に一切の責任を問いません】
ーーーああ、そっか。あたしが誓約書を書いた時点で、運営は責任を負わないんだ。そもそも誓約書なんて書かなきゃいけないくらい危険なアトラクションなのに、どうして乗っちゃったんだろうーーーもうすぐ落下地点だ。安全バーが外れた状態で落下地点を通ったらあたしの身体は宙を浮いてーーー落下して
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