第66話竜とスグ
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取って、例の遊園地に向かって歩くがーーーゲートの前で立ち止まってしまった。それは仕方のない事だと思う。だってこの遊園地ーーー
「ここ・・・営業してるんですか・・・?」
「・・・前もって下調べしとけばよかったかな」
廃墟なんじゃないかなって思うくらいボロボロだった。人は見た限り10人いるかどうかすらギリギリだし、看板ボロボロだし、カラスは飛んでるし、ジュースのカップとかポイ捨てされてるし、マスコットの着ぐるみが生首状態で捨てられてカラスに右目食われてるし。直葉ちゃんの言う通りそもそも営業してるのかすら疑わしい。道も間違ってなかったし、母さんにテレビ電話して確認しようーーー
【もしもし、りゅーちゃん?遊園地まで行けた?】
「母さん。遊園地って・・・ここで合ってるか?」
テレビ電話に出た母さんにオレは問いただし、スマホの画面を遊園地ーーーの廃墟らしき場所へ向ける。
【わぁ〜!ここよ!ここ!すごい懐かし〜!】
「ここなんだ・・・」
「ここかよ・・・」
どうやらオレたちは道も場所も間違えてはいなかったらしい。でも本当に懐かしいか?どこか面影を感じるのか?
【あの朽ち果てた看板・・・いつも故障中の観覧車・・・錆で今にも倒れそうなジェットコースターのレールの支柱・・・20年前と全然変わってない!】
「変わっててくれよ」
何で20年前から看板朽ち果ててんだよ?何で20年前から観覧車ぶっ壊れてんだよ?何で直さねぇんだよ?何で20年前からジェットコースターのレールの支柱が錆びてんだよ?何で新しい支柱に取り換えないんだよ?つーか何でこんな所が潰れねぇんだよ?そもそも何でこんな危ねぇ臭いがプンプンするような所紹介したんだよ?いくら母さんが天然だからってこれはシャレになんねぇぞーーーいや、元々こういう危なげな雰囲気を醸し出してる隠れスポットなのか?でもなぁ、直葉ちゃんがそれで納得出来るかどうかーーーよし。
「元々こういう雰囲気を醸し出してるだけの安全な遊園地みたいだな。物は試しだ、行ってみようぜ?」
「は、はい。それじゃあ・・・行ってみます?」
【楽しんでね〜♪お二人さ〜ん♪】
「うるせぇっての」
オレは若干イラついてテレビ電話を切る。全くあの母親は何が面白くて息子とその従妹が遊びに行ってるのをニヤニヤしながら見てるのかーーー
「直葉ちゃん、まず何に乗る?」
「え〜っとじゃあ・・・」
母さんの事は今は置いといて、直葉ちゃんにまず何に乗るか聞く。直葉ちゃんは何に乗るか迷って、結果ーーー
「ちょっと恐いけど・・・あれに乗りたい!ジェットコースター!」
「そ、そうか・・・」
正直に言うとーーーないわー。とは口には出さないでおこう。一応問題なく動いて
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