第7話
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言付け加え、ユーシスに続くように自分もアーツの適正が高い事を口にしたアリサは戸惑いの表情でレンを見つめた。
「……………レン。後方からの援護に徹するのはもしかして俺達の戦闘力に合わせてか?」
するとその時何かに気づいたリィンは静かな表情でレンに問いかけた。
「へ…………」
「うふふ、そういう事に関しては鋭いわね。――――実技テストの時にも言ったけど、レンは非常事態にならない限り基本”本気”を出すつもりはないの。でないとお兄さん達がレンについていけないでしょうしね。」
リィンの問いかけにアリサが呆けている中レンは小悪魔な笑みを浮かべて答えた。
「貴様……俺達を嘗めているのか?」
「ちょ、ちょっと、ユーシス。」
レンを睨むユーシスの様子を見たアリサは慌て
「別にそんなつもりはないわよ。”特別実習”で求められているものの一つはチームワーク。一人だけ戦闘力が突出したレンだけが活躍しても意味がない……というかむしろ悪い評価になると思ってレン自身の戦闘力をセーブしているのよ?」
「それは……………」
「た、確かに今までの実習の評価を考えたらチームワークが良かった班は評価も良かったわね………」
「フン…………それ以前に俺は何故貴様が以前の”特別実習”の事を知っているのか、詳細な説明をしてもらいたいのだがな。」
レンのある意味正論と言ってもおかしくない説明を聞いたガイウスは目を丸くし、アリサは戸惑いの表情で頷き、ユーシスは鼻を鳴らしてレンを見つめた。
「…………レン、一つだけ約束してくれ。」
「なにかしら?」
「通常の実習中はともかく何らかの非常事態になった場合は、力の出し惜しみはしないで”本気”を出して、かつ可能な限り俺達に合わせるようにしてくれ。大げさな話になるけど、レンが本気を出さなかったせいで非常事態を更に悪化させる事になったり、俺達の中から誰かが取り返しのつかない事になったりする事も考えられる。それは幾ら何でも看過する事はできない。」
「うふふ、本気を出してかつお兄さん達に合わせろなんてリィンお兄さんも中々我儘ねぇ?」
「レン、貴女ね……」
「先に我儘を口にしたのは貴様だろうが。」
リィンの条件に意味ありげな笑みを浮かべるレンに呆れたアリサとユーシスはそれぞれジト目でレンを見つめた。
「――ま、いいわ。非常事態の時に”本気”を出す事については元々そのつもりだったし、レンもチームワークが大切なのは理解しているからリィンお兄さんの要望通りにしておくわ。」
「ああ、レンにとっては面倒な事だろうけど、よろしく頼む。」
その後リィン達は課題をこなし始めた――――――
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