一話 繰り返す四日間
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彼女、色を与え続け。
彼女は更なる色を求め、自身の色を書き換える。
彼女を記憶する者は存在しない。
最古から伝わる魔道書に記されていただけで彼女の存在を確かめる方法はない。
だが、彼女の存在を証明する手掛かりは残っている。
それを辿れば彼女……色彩の魔女の存在は不確かな者から確実な者になる事だろう。
最も、それをするには異世界からの異邦者の手を借りられればの話だが。
────ここは……。
色彩彩る洋風の大部屋にナツキ スバルは現れた。
スバル本人には目を開けた瞬間、別の空間に転移された……そんなイメージに近い。
「ようこそ、少年」
振り向くとそこには────。
「魔……女?」
それは本能に近かった。
美しい女性……それをスバルは魔女と認識してしまった。
いや、認識できてしまった。
「おやおや、そんな怯えなくても……。私は君に興味なんて微塵も感じてないから」
魔女は微笑し。
「うー?
それにしてもアンタ変わってるねぇ?」
────これ、なんだ……?
ナツキ スバルの全身は無数の手で撫でられていた。
────これは……ペテルギウスの!?
「ペテルギウス……?
ペテルギウスって……誰だ?」
「ありゃ、記憶を書き換えられる呪ねぇ。
それと繰り返しの呪……まだあるねぇ」
闇の手。
影の手はナツキ スバルを貫いた。
外傷はない、その手はナツキ スバルから何かを抜き出し透き通っていった。
「おや、まぁ……これはこれは」
スバルから抜け出された何かは文字の塊となり、魔女の手元に収められた。
「少し、君の記憶をコピーさせてもらったよ」
おかしい……。
なんだ────ペテルギウスって誰だ?
魔女教……?
王選……?
────エミリア……!?
そうだ、なんで忘れてたんだ。
「おや、君……なるほど」
不敵な笑みで魔女はスバルの顎を『見えざる手』で引いた。
「これは滑稽だ……いやぁ、君は愛されてるんだね」
「愛されてい……いる?」
忘れるはずのない記憶を俺は忘れていた。
なんで忘れてたんだ?
思い出そうとしても思い出せない。
「七つの大罪、七人の魔女に」
────七つの大罪……?
────────七人の……魔女────?
その言葉は俺の心を揺さぶった。
そうだ……俺は俺達は魔女教の奴らと鉢合わせして、それで……。
それから後の事は思い出せない。
いや、思い出せなかった。
「君は七つの大罪を知ってるかな?」
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