一話 繰り返す四日間
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見て。
「これだけあれば十分だろ。
てか、後始末の事は考えてんの?」
これだけの量だ。
そのロズっちの友人の娘だっけ……?
この量は無理だろ。如何にロズっちが変人でもその友人さんが変人とは限らない、この馬鈴薯の量を見たら仰天しそうだ。
絶対、全部は食べ切れる訳ないし、その後の事を考えると。
────これは当分、馬鈴薯生活ですな。
いや、馬鈴薯は嫌いじゃないよ?
でも、この量はちょっとね……。
「さて、次は……」
レムは新たな馬鈴薯の調理に取り掛かる。
「なんかレムの奴、妙に張り切ってるな」
笑顔で馬鈴薯を調理するレム。
うん、この世界に来て良かった〜と思える至福の光景だ。
「バルス、新しい馬鈴薯よ」
「アンパンの顔みたいに言うな。
……ってまだこんなにあんのかよ」
「まだまだあるから頑張ってね」
「ちょっと姉様、ふかし芋を摘みながら言わないでくれる?
お前の食った分の馬鈴薯の皮、俺は剥かないからな」
「そう言わないのバルス。
ほら、新しい馬鈴薯よ」
ゴロゴロ────ゴロゴロ。
うわぁ♪新しい馬鈴薯だぁ。
「私は庭の清掃をしてくるからあとはバルスに任せるわ」
「ちょっとバカ姉様?
そう言って逃げるの止めてくれます?
てか、そのポケットに隠したふかし芋を置いていけ!」
どんだけふかし芋が好きなんだよ。
「ちっ」
「おいおい姉様。
今、舌打ちしたよね?」
「してないわ、空耳よ」
そう言いつつラムはテーブルの置いてあったナイフを手に持ち馬鈴薯の皮を剥き始める。
「少し手伝ってあげるわ。
さっさと終わらせてお昼寝……庭の清掃をしなくては」
「おい!遂にボロが出ましたね!?
今、お昼寝って!」
「空耳よ」
そう言ってラムは馬鈴薯の皮をナイフで剥き始める。
俺のその後を追って馬鈴薯の皮むきを再開した。
指を切らない様に。
以前、ラムから教わった方法で丁寧に。
「少しは出来る様になったのね、バルス」
「おうよ、伊達に馬鈴薯の皮むきしてねぇぜ!」
「じゃあ……この林檎の皮も剥ける?」
新たな課題を出すようにラムはテーブルに置いてあった林檎を差し出してきた。
「おお、馬鈴薯で皮むきのコツは掴んだんだ。やってやるぜ!」
俺は差し出された林檎を受け取り、皮むきを始める。
ナイフを動かすんじゃない。
林檎の方を動かすんだ。
シュルシュルっと林檎の皮は向けていき最終的には。
「よっしゃあ!
これが
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