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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第183話 劉弁廃位新帝擁立
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穎を殺したいのか! 賈文和は引き返すことのできない道を選択した」

 呂布は正宗の言葉にぴくりと眉を動かすも「お前信用できない」とつぶやき攻撃の手を止める様子はなかった。そこに大量の矢の雨が降ってきた。
 呂布と正宗は距離を取り自らに降りかかる矢を全てはじき落とした。

「正気ではない。賈文和は味方も殺すつもりか」

 正宗は後方に控える賈?を睨み付けた。その隙を突き、呂布が奉天画戟を振り回し正宗を襲う。正宗は寸でのところで受け止めるも口を歪ませた。

「手加減は出来んな」

 正宗は強い意志の籠もった目で呂布に突撃をし激しい突きを浴びせた。彼の攻撃を受け流す呂布に一瞬の隙が生まれた。それを正宗は見逃さない。呂布を追い込むように渾身の一撃を放つ。呂布は避けきれないと悟ったのか馬か飛び降り着地した。
 呂布を逃がした正宗は舌打ちした。その時、正宗に暇を与えず矢の雨が降り注ぐ。正宗は全てたたき落とした。そして、正宗は北門を背にした。禁軍兵士達は既に正宗に近づこうという者達が一人もいない。人知を超越した力を示す正宗に禁軍兵士達はいい知れない恐怖を感じていたからだ。そのことを察した賈?は焦り正宗を睨んでいた。
 その時、北門の上から激しい炎が起きた。そして、昇降式の門がゆっくりと上がりだした。

「矢を放て!」

 賈?は絶叫染みた声を上げ禁軍兵士達に命令した。正宗に矢雨が降り注ぐが正宗は全てはじき落とした。しばらくすると馬蹄の音が周囲から聞こえた。呂布が馬に跨がり正宗に襲いかかるが、その時左右から突撃してきた騎兵達が矢を放ってきた。その騎兵は正宗軍だった。

「正宗様から離れろ!」

 呂布に向け泉が馬上より矢を放った。呂布は突然の奇襲に一瞬動きが鈍った。その時、正宗は呂布に双天戟で連続突きを行った。呂布は眉を顰め突きを凌いだ。更に正宗は踏み込み連続突きを行った。呂布は避けきれずに左腕に突きがかすった。

「泉、撤退せよ! 殿は私が行う!」

 正宗は呂布を押し込めながら叫んだ。泉は正宗の命令に頷き兵をまとめ上げた北門を潜り抜けていった。

「劉正礼を逃がすな! 矢を放ちなさい! 突撃しなさい!」

 賈?は状況の急激な変化に動揺しているためか正宗を殺せと叫び続けた。禁軍兵士達は矢を放つが、正宗は北門側に移動し全ての矢を弾き落とす。呂布はその間隙をつき、正宗に襲いかかり切り結んだ。

「呂奉先、聞け! 私なら董仲穎の命を救える。私の軍門に降るなら董仲穎の命を保証する」

 正宗は呂布と切り結びながら彼女を必死に説得した。

「お前信用できない。でも恋分からない」

 呂布は一言正宗に言うと距離をとった。彼女からは正宗に対する戦意が無くなっていた。

「呂奉先、私と一緒に来ないか?」


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