第183話 劉弁廃位新帝擁立
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「一人で残るとは殊勝ね。逆賊・劉正礼、貴様を討伐する。武器を捨て大人しく縛につけば自決の場を用意してあげるわ」
賈?は勝ち誇ったような態度で正宗に叫んだ。正宗は賈?の語りを聞き終わると高らかに笑い声を揚げ賈?を睨み付けた。
「偽勅に従う謂われはない!」
「皇帝陛下の勅に異を唱えるか!」
賈?は目を見開き声を荒げた。正宗は涼しい顔で双天戟で天空をさした。
「天が照覧されている。余は漢室の守護者である。漢室を脅かす奸賊の戯言に貸す耳は持ちあわせない」
「驕りもいいところね」
「笑止。賈文和、余の正義を示してやろう。禁軍諸兵よ! 余は逆賊董卓を打つため、この窮地を逃げ切ってみせる。もし逃げ切れば余に天意ありということだ。今日、余に逆らいしことを悔いるがいい!」
正宗は殺気を放ち双天戟の矛先を禁軍に向け怒号した。それに禁軍兵士達は恐怖を感じた。あまりに堂々とした正宗の様に禁軍兵士達は動揺していた。それを敏感に察した賈?は禁軍兵士達に向けて声を上げた。
「たった一人で何が出来る。禁軍兵士達! あの逆賊を殺せ!」
賈?が叫ぶと前方に布陣していた涼州騎兵がかけだし、躊躇していた禁軍兵士達も仕方なく正宗を襲撃するために走り出した。その時、幾つもの光の奔流が禁軍兵士達を蹂躙した。月明かりだけの闇夜において、その光は激しく目を眩ませた。賈?も一瞬目が眩む。視力が戻った彼女は周囲の変化に戦慄した。大量の禁軍兵士達の死体が散乱していたからだ。彼らの死体は惨たらしい姿になり果てていた。脚だけ。胴から上だけ。下半身だけ。地獄絵図と化した状況に固まっていた。
光に飲まれず生き残った禁軍兵士達は凄惨な光景に震えていた。しかし、後尾の兵士が雪崩れて込んでくるため、その兵士達は逃げるに逃げれない状況に陥った。
「こんな狭所で大軍をねじ込んでくるとはな。普通の武将であれば難なく殺せただろうが、私にはいい的でしかない」
正宗はそう言い激しい光の奔流を作り出し禁軍兵士達を蹂躙していった。賈?は想定外の事態に焦った表情になった。
「殺せ! 劉正礼を殺せ! 劉正礼を殺した者は褒美は欲しいままよ!」
賈?は兵士達を絶叫し鼓舞するが既に軍の体裁を失っていた。正宗にとって禁軍兵士達は駆られるだけの羊でしかなかった。その中を走り抜ける騎兵が現れた。呂布である。呂布は馬を自在に操り、正宗に接近すると奉天画戟を叩きつけた。正宗は呂布の突撃を真正面から受け止めた。
「呂奉先、愚かな賈文和など見限り私の軍門に降れ!」
双天戟と奉天画戟がぶつかり合う。正宗と呂布は睨み合う。
「お前は月の敵」
呂布は無表情でただ正宗を敵であると断じた。そして迷いなく奉天画戟を正宗に叩きつけた。
「呂奉先、お前は董仲
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