第183話 劉弁廃位新帝擁立
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階で最悪な手を選ぶ可能性はありえますね」
華琳は遠くを見るような目で思案しながら言った。
「狂気の沙汰ですが、もし賈文和がそれを実行に移せば都の百官の身も安全ではないでしょう」
秋蘭が華琳の意見をもとに持論を口にした。
「百官達に犠牲が出るなら、それは正宗様には僥倖というもの。董仲穎は力で百官をねじ伏せ、偽帝を立てたと糾弾できます。私は直ぐに陳留国に戻り準備に動きます。できれば、正宗様の姉上に協力を求める文をしただけると有り難いです」
「文は用意しよう。華琳と秋蘭、二人とも頼むぞ」
華琳と秋蘭は拱手した。正宗は直ぐに彼の姉へに文を書き上げ華琳に預けた。華琳と秋蘭は急ぎ旅支度を調えると都を発った。二人は元々表立って動いていなかったこともあり、すんなりと都を抜け出すことに成功した。
「正宗様、如何して北門を抜けますか?」
華琳と秋蘭が都を出た後、正宗と泉は都を脱出する算段を計画していた。
「直ぐに信用できる者達を行商人に扮装させ北門から都の外に出せ。十人程度に馬四頭、それに馬車を用意させろ」
「その者達は何処に向かわせるのです。冀州でしょうか?」
「いいや。鮮卑軍と合流させる。既に鮮卑が南下し司隷の境を慎重に下っているはずだ。朱里の話では私達が洛陽に入る頃合いに合わせ南下させると言っていた」
「もしや朱里様はこうなることをご存じだったのですか?」
「そうではない。朱里は賈文和の今までの行動から、私を早く排除すると動くと見ていた。特に荊州牧が袁公路になれば悠長なことをしないと言っていた。賈文和は董仲穎を私の組下に置くことが許せないと考えていると思うとも言っていた」
「その見立ては正しい気がします。賈文和、あの者は正宗様を拒絶しているように見えました。その理由が董仲穎への強い想いというなら頷けます。その想いが董仲穎に利益になるとは思いませんが」
泉は賈?に対する考えを述べた。
「そういう訳だ。お前達は北門を攻め門を開け、鮮卑軍を都内に招き入れろ」
「正宗様は如何なさいます」
泉は不安気な目で正宗を見た。それは正宗が何をするつもりなのか察しているようだった。
「お前達が北門を破るまで賈文和が率いる禁軍を一人で引きつける」
「そのような危険な真似を正宗様にさせられません」
「泉、これが最後だ。私が前線にて武を示し命を張るのはな。それにこれが一番勝率が高い。急ごしらえでかき集められた禁軍の兵数は私が連れた兵を大きく上回る。そうでなくば賈文和は私を襲撃しない」
「真逆、これは朱里様の計画なのですが」
泉は怒りの表情を浮かべた。主君である正宗に危険極まりない策の餌とするなど泉には許すことができないのだろう。
「泉、これは私が許可した作戦だ。私の夢は知っているな
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