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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第183話 劉弁廃位新帝擁立
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と彼女は正宗に挨拶して屋敷を去って行った。張遼が去ると、正宗が一人いる部屋に泉が入ってきた。遅れて華琳、秋蘭が現れた。

「張文遠は何と?」

 泉が切り出してきた。

「董仲穎との会見の場を設けさせて欲しいと言ってきた」
「正宗様、今更ですね」

 華琳は正宗に呆れるように言った。

「それだけ状況が切迫していたということでは。正宗様が董少府の屋敷を訪問して半日も立っていないです。どうしても今日中に話をつけたかったと見るべきです。董少府の家臣は一枚岩ではないと思います」

 秋蘭は状況を分析に自らの考えを正宗に述べた。正宗は思案気な表情で考えていた。

「気にかかることがある」

 正宗は泉と華琳、秋蘭を見た。

「賈文和が私と董少府の会見を望んでいるらしい」
「本当なのでしょうか? とても信じられません」

 泉が正宗に意見した。泉は直に賈?を会っているだけに、その時の印象から賈?が正宗を拒絶しているように目に写ったからだ。

「私は賈文和とは面識はないわね。でも、今までの正宗様への対応を見ると大人しく恭順するような感じがしない。本気に恭順する気なら、正宗様が上洛する報を受け次第出迎えに行っているでしょ。董少府は司隷校尉を兼任しているのだし」

 華琳は腕組みして無い胸を強調しながら意見を述べた。秋蘭も華琳の意見に同意なのか頷いていた。

「泉と華琳の見立ては間違いないだろう。私が董少府に会ってからでは面倒になるはず」
「今夜にでも正宗様を襲撃するでしょうね」

 華琳は淡々と言った。

「名分はどうするのです?」

 泉は華琳に疑問を投げかけた。

「想像もつかないわ。でも、逃げる準備をした方が良さそうね。正宗様は何か考えがおありなのですか?」

 華琳は泉の問いに答えがないと正直に言うと、逃げる算段を正宗に聞いてきた。彼女はわざわざ正宗が二千程の騎兵だけで上洛してきたため、はじめから賈?の行動を予想していたと感じていた。

「華琳と秋蘭は直ぐに?州へ逃げろ」
「正宗様はどうするのです」
「もし、賈文和が私の予想通りの愚行を行えば、私はその漁夫の利を得に行く」
「意味深なことを言うんですね。仔細を詳しく教えてくださいませんか? その腹案を更に効果的なものにできるかもしれません」

 華琳は正宗の含みを持った物言いに不満の表情を浮かべ内容を教えるように迫った。正宗はその場にいる三人に賈?は皇帝廃位を行い劉協を新皇帝に擁立する可能性を打ち明けた。打ち明けられた三人は驚きの表情に変わった。

「皇帝廃位は最悪の手。でも、正宗様を襲撃する時点で最悪の手を踏むことになります。賈文和が正宗様の元で働くことを拒む理由が分からない。現状、最善と思われる手を賈文和が選ばない段
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