暁 〜小説投稿サイト〜
元虐められっ子の学園生活
各所観光
[3/3]

[8]前話 [9] 最初
ね?
っと、雪ノ下の更に奥に眼を向ければ、さも被害者を見るような目でこちらを見ている女子生徒が。
間違いなく俺を危惧しているな。

「あ、ゆきのん!」

「うっす」

呼ばれて振り替えれば由比ヶ浜と比企谷がいた。
その後ろにカスがいるけど。

「…場所を変えましょうか」

そう言って雪ノ下は立ち上がり、四人で人気のない場所へと移動した。



「依頼の調子はどうかしら?」

「うーん…結構難しいね、ね?」

「あんまやり過ぎて、海老名さんに嫌がられてもな」

確かに、依頼の成果としては余り進んでいないように思う。

「一応聞いた話ではそんなに変わらないそうだぞ」

「…それ、誰に聞いたんだよ」

「ん?そりゃお前…なぁ?」

「「…」」

雪ノ下を置いて二人が黙る。
お化け屋敷にいた『人達』に聞いたとは言えないだろう。俺を置いて逃げたし。

「おまけに…(葉山の行動が不自然だ」

「……」

明らかにアイツは海老名の気持ちを知っている。
それでいて丸く納めようとしているのが分かる。

「任せきりにしてごめんなさいね」

「全然気にしないで」

「代わりといってはなんだけど、一応私の方でも考えてみたの」

「何をだ?」

雪ノ下はポケットをあさる。
そして出てきたのは一枚のメモ用紙だった。

「女性に好まれる京都の観光名所。
彼らの参考になればと思って」

「わぁ。ゆきのん流石!」

「では、私は戻るわ」

「うん。また明日ー」

雪ノ下はそうして去っていった。
そうか。明日が皆で回る日か。少し楽しみだな。




その日の行程を終わらせ、俺はまた一人になってロビーにいた。
午後の自由行動はハッキリ言って暇だった。
比企谷に着いていこうとも思ったけど、比企谷にも予定があるだろうからやめておいた。

「さて…どうするか」

時刻は8時を少しだけ回ったところだ。
やることのない今となっては、時間を潰すことすら難しい。

「部屋は他のやつらで騒がしい。
かと言って風呂は論外…女子部屋?怯えられてそれどころじゃない。そもそも何しに行くんだ。
後は…ああ、あるじゃないか、やることが」

そう。学校へ帰ってからやるであろう作文が。
それを今から仕上げておこうと、俺はロビーから立ち去るのだった。




[8]前話 [9] 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ