各所観光
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ね?
っと、雪ノ下の更に奥に眼を向ければ、さも被害者を見るような目でこちらを見ている女子生徒が。
間違いなく俺を危惧しているな。
「あ、ゆきのん!」
「うっす」
呼ばれて振り替えれば由比ヶ浜と比企谷がいた。
その後ろにカスがいるけど。
「…場所を変えましょうか」
そう言って雪ノ下は立ち上がり、四人で人気のない場所へと移動した。
「依頼の調子はどうかしら?」
「うーん…結構難しいね、ね?」
「あんまやり過ぎて、海老名さんに嫌がられてもな」
確かに、依頼の成果としては余り進んでいないように思う。
「一応聞いた話ではそんなに変わらないそうだぞ」
「…それ、誰に聞いたんだよ」
「ん?そりゃお前…なぁ?」
「「…」」
雪ノ下を置いて二人が黙る。
お化け屋敷にいた『人達』に聞いたとは言えないだろう。俺を置いて逃げたし。
「おまけに…(葉山の行動が不自然だ」
「……」
明らかにアイツは海老名の気持ちを知っている。
それでいて丸く納めようとしているのが分かる。
「任せきりにしてごめんなさいね」
「全然気にしないで」
「代わりといってはなんだけど、一応私の方でも考えてみたの」
「何をだ?」
雪ノ下はポケットをあさる。
そして出てきたのは一枚のメモ用紙だった。
「女性に好まれる京都の観光名所。
彼らの参考になればと思って」
「わぁ。ゆきのん流石!」
「では、私は戻るわ」
「うん。また明日ー」
雪ノ下はそうして去っていった。
そうか。明日が皆で回る日か。少し楽しみだな。
その日の行程を終わらせ、俺はまた一人になってロビーにいた。
午後の自由行動はハッキリ言って暇だった。
比企谷に着いていこうとも思ったけど、比企谷にも予定があるだろうからやめておいた。
「さて…どうするか」
時刻は8時を少しだけ回ったところだ。
やることのない今となっては、時間を潰すことすら難しい。
「部屋は他のやつらで騒がしい。
かと言って風呂は論外…女子部屋?怯えられてそれどころじゃない。そもそも何しに行くんだ。
後は…ああ、あるじゃないか、やることが」
そう。学校へ帰ってからやるであろう作文が。
それを今から仕上げておこうと、俺はロビーから立ち去るのだった。
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