第41話
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同日、15:05――――
やがて―――会議の前半が終了し、休憩時間に入る前に、報道陣による各国首脳への合同取材が行われた。そして、ロイド達は先に休憩に入ったイアン弁護士と改めて話をする機会が得られた。
〜オルキスタワー〜
「なるほど……そんな事情で君達も警備に参加したのか。」
ロイド達から話を聞いたイアンは納得した様子でロイド達を見回した。
「ええ、正直気休め程度にしかなっていないかもしれませんが。」
「いやいや、市長暗殺未遂事件で大金星を上げた君達だ。この場にいてくれるだけでも私としては非常に心強いよ。」
「そう言って頂けると……」
「ハハ、ありがいッスね。」
「それで先生。会議の方はどうなんですか?さほど荒れた雰囲気は感じられませんでしたが。」
「ああ、今の所は順調だよ。幾つかの通商協定には各国の同意も得られたし……ディーター市長の呼びかけも無駄にならなかったようだね。」
「ふふ、そうですか。」
「ちょっと安心ですね。」
「意外だな……」
イアンの話を聞いたエリィとノエルは安堵の表情をし、リィンは驚き
「しかし”今のところ”って事は何か懸念でもあるのかな?」
ワジはイアンに尋ねた。
「え………」
「………そうなんですか?」
ワジの疑問を聞いたエリィは呆け、ロイドは真剣な表情で尋ねた。
「ふむ、オブサーバーである私の口から言うのもなんだが……前半は、貿易や金融などの経済的な議案が殆んどだったんだ。―――しかし会議の後半からは各国首脳から提議される議案……しかもどうやら、クロスベルの安全保障に関する話が出るらしい。」
「それは……!」
「……安全保障ってことは軍事の話も入るってことか。」
「その時に仕掛けてくる可能性がありそうだな………」
イアンの説明を聞いたロイドとランディ、リィンは表情を厳しくした。
「でも、2年前に締結された”不戦条約”もありますよね?」
「あれはリベールの女王陛下が当時のクロスベルの危機的状況を抑えるために提案したものだ。レミフェリアは関わっていないし、何よりクロスベルそのものが”不戦条約”にはかかわっていない。その意味で、それとは別の新たな安全保障の枠組みが求められているのは確かだね。」
「……確かにそれは祖父も懸念していました。」
ノエルの疑問に答えたイアンの説明にエリィは真剣な表情で頷き
「なら、クロスベルを交えた新たな条約を結べばいいのでは?」
「そうですよ、不戦条約と同じ、国家間の争いを武力で解決するのを禁止するような枠組みを―――あ。」
ティオの質問に続くように話したノエルは途中である事に気付いて声を上げた。
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