第40話
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ヴァルト皇子については私もあまり心配していない。レミフェリアの大公閣下もやはり信頼に足る人物だろう。……問題は、オズボーン宰相とロックスミス大統領、リフィア姫とレン姫の4人でね。」
「3大国の首脳ですか……」
「たしかにクロスベルの命運を握っているのは4人だとは思うけど。具体的に、何か動きでも?……特にメンフィルについてはエリィのお姉さん―――”聖皇妃”がクロスベル出身者の上、マクダエル議長の親族なんだから大丈夫だとは思うんだけど。」
「いや、その逆だ。―――会議の開催に当たって幾つかの取り決めや国際協定などの提案を事前に送ったのだが……そこで返ってきた返答が各国とも好意的すぎたのだよ。まるで本気で、西ゼムリアの平和と発展を望んでいるかのように。」
「そ、それは……」
「……さすがに不自然ですね。いつも事あるごとに反発しあっている2国の上………2国が警戒しているメンフィルまでいるというのに………それとワジ君。お姉様がメンフィル帝国の創始者であるリウイ陛下の正妃だからと言って楽観視しない方がいいわ。今の首脳はリフィア殿下やシルヴァン陛下達だから、メンフィル大使として隠居しているリウイお義兄様の正妃となったお姉様の影響力はあまりないと言ってもいいわ。」
「エリィの言う通り、シルヴァン陛下の代になってからはリウイ陛下は現在のメンフィルの政治に滅多に口出ししていないと、俺もメンフィルに留学していた際、学んだ事がある。」
「へえ、そうなんだ。」
エリィとリィンの説明を聞いたワジは目を丸くして言った。
「ああ、正直会議そのものがどう流れるか予想もつかない。かなり厳しい展開になることも覚悟する必要がありそうだ。」
「なるほど……」
「や、やっぱり政治的にも大変な状況なんですね……」
「はは、まあマクダエル議長も力になってくださるだろう。上手くいけばリベールやレミフェリアなどを味方にして交渉できるかもしれないし、もしかすればメンフィルも味方してくれるかもしれない。とにかく腹を括った上で女神達に祈るしかないだろうさ。」
「おじさま……」
「すみません……そんな大変な時に案内なんてさせてしまって。それに恐らく今までの行いで2大国から睨まれている局長もひょっとすれば原因の一つかもしれませんし……」
「それを言ったら司令も同じですよ……」
笑顔で言ったディーターの話を聞いたエリィは複雑そうな表情で見つめ、ロイドとノエルは申し訳なさそうな表情で言った。
「ハハ、とんでもない。あの2人のしている事はクロスベルの為になっている上、クロスベルを守りたいという気持ちは私達と同じはずさ。―――おっと、到着だな。」
その後ロイド達はディーターにさまざまな所を案内してもらい、最後に屋上からの
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