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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第17話 カルバート共和国
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side:リィン


 僕が西風の旅団に帰ってきてから一週間が過ぎた、今まで皆に心配かけてしまった為か常に誰かが僕の傍にいるようになっていた。


「……ゼノ、いい加減離してほしいんだけど…」
「ダメや、あと10分はこうしとかなあかん」


 今僕はゼノの膝の上に座って抱っこされている状況に陥ってます、そして僕の膝の上にはフィーがいて眠ってます、何このカオスな状況は……


「ちょっとゼノ、いい加減に交代しなさい!」
「いくら姐さんの頼みでも譲れへんで、大体姐さんは昨日リィンを抱っこしたやろ」
「でもまだまだリィン分が足りてないのよ」
「そんなの俺かて同じことや」


 リィン分ってなんだろう、あ、フィーが僕の服の裾を掴んで微笑んだ。ふふっ、どんな夢を見てるのかな?(若干現実逃避気味)


「姐さん達だけずるいですよ!」
「俺達にもリィンを抱っこさせてください」


 西風の旅団の団員達のミラやカイト達が姉さんに抗議する、この一週間は皆こんな風に僕とスキンシップを取ろうとしている、僕的には嬉しいんだけど振り回され気味でちょっと大変かな。


「リィン、団長が呼んでいたぞ」


 そこにレオが現れて僕に団長が呼んでいたことを伝えてくれた。


「本当に?じゃあ行かないと。ゼノ、悪いけど行ってくるね」
「あ、もうちょいだけ……」
「団長を怒らせる気か?」
「……団長が呼んどるんならはよ行った方がいいわ」


 ゼノが抵抗しようとしたけどレオの一言で顔を青ざめながら離してくれた。よっぽど団長が怖いんだね……
 寝ているフィーを姉さんに預けてレオと一緒に団長の元に向かう。


「相変わらず人気者だな」
「あはは、皆には心配かけちゃったしこれくらいは当然だよ」
「そうだな、皆お前の事をいつも思っていたからな」
「ごめんレオ、僕、皆に迷惑ばっかりかけているね……」


 申し訳なさそうに頭を下げる僕をレオは無言で頭を撫でてくれた。


「迷惑だなんて思った事はない、お前は俺達の大事な家族だ……」
「レオ……」
「俺はお前が無事に帰ってきてくれただけで十分だ、それは団長や皆も同じことを思っている」
「ありがとう、レオ」


 そんな会話をしているとあっという間に団長がいる部屋の前に来た。


「団長、俺だ。リィンを連れてきた」
「レオか、分かった入ってくれ」


 部屋に入ると団長は何かの書類を呼んでいた。


「団長、何を読んでるんですか?」
「ああ、これは依頼書だよ。俺達が活動を再開すると知った途端にこれだもんな、人気者は辛いぜ」


 えっ、あれ全部依頼書なの、山のようにあるけど……


「レオ、他の奴らにもこの依
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