第17話 カルバート共和国
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僕達を助けてくれた女の子に僕達は感謝の言葉を伝えた、黒髪が特徴的な女の子は微笑みながら首を横に振った。
「お礼なんていいですよ、困った時はお互い様です」
「ううん、結構危なかったから感謝するのは当然、借りが出来ちゃったね」
「そうだね、改めてお礼を言わせてもらうよ、ありがとう」
僕とフィーは改めて彼女にお礼を言う。
「それにしてもさっきの人達は何だったんだろう」
「あの人達はこの辺を縄張りにしているヤクザの下っ端です。主に観光客にああやって因縁をつけてミラを巻き上げてるんですよ」
「そうだったのか、道理であんな無理な事を要求してきたと思ったよ」
カルバート共和国はそういった裏組織が多いって聞いたことがあったな。様々な異民族が集まるから治安も悪いらしい、さっきフィーに言ったこの国が抱える問題の一つだね。
「でもどうするリィン、宿屋までの道のりがすっかり分からなくなっちゃったけど……」
「そうだね、僕も久しぶりに来たから正直覚えてないかも……どうしようか」
「あの……」
僕とフィーが悩んでると女の子が話しかけてきた。
「もしかして大通りにある宿屋の事ですか?」
「そうだけど……」
「なら私がそこまで案内しますよ」
「えっ、いいの?」
「はい、私の家もそっちの方ですしもうお店も閉めて帰るつもりでしたから」
「お店?そういえばここって……」
「ここは私がアルバイトしてる飲食店です、店長が急用で早めに帰ったので戸締りして帰ろうかなって思ってたら貴方達が走ってきたので……」
「そっか、僕達は運が良かったんだな」
「ていうか貴方ってリィンと同じくらいの年なのにもう働いてるの?凄いね」
「いえ、そんなことは……」
フィー、それ言ったら君もその年で猟兵をしてるじゃないか。あ、僕もか……
とにかく彼女の提案をありがたく受けて宿屋に連れて行ってもらった。
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――――――
―――
「はい、着きましたよ」
女の子に案内されてようやく宿屋に帰ってこれたよ。さっきの連中には運よく遭遇しなかった。
「今日は色々とありがとう、君には本当にお世話になっちゃったね」
「そんな気にしないでください」
「ううん、わたし達は猟兵だから受けた恩は必ず返すのが筋だって団長も言っていた」
「えっ、猟兵の方なんですか?」
「あ、おいフィー!」
普通に自分達の正体を話してしまったフィーを止めようとしたが彼女は大丈夫ですよ、と答えた。
「この国では猟兵もそんなに気にされていません、ここはあらゆる人間が集まる国ですから……」
「そっか、それならいいけど……でもフィ
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