第17話 カルバート共和国
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、心なしか顔も赤いし……
「ご馳走様でした」
そうこうしている内にバーガーを食べ終えてしまった僕は懐からハンカチを出して口を拭く。あ、よく見たらフィーの口にも食べかすが付いている。
「フィー、ジッとしていて」
「リ、リィンッ?」
フィーが珍しく狼狽えた表情を浮かべるが僕は構わずフィーの口を拭く。
「よし、これで綺麗になったね」
「リィンそれ……リィンも使った……」
「ん?確かに僕も口を拭いたけど……何か不味かったかい?」
兄妹だしフィーはそういう事気にしないタイプだと思ってたけどもしかして嫌だったのかな?
「別に問題はない……でも次からは自分で拭く……」
「ああうん、分かったよ」
そういえばフィーもそろそろ年頃の女の子だしこれは配慮が足らなかったかな。これからは注意しないと。
食事を終えた僕達はカイトがいる宿屋に向かっているんだけど何故か道中フィーはずっと下を向きながら歩いてる、僕と顔を合わせようとしない。怒らせてしまったのかな……
「フィー、やっぱりさっきの事で怒った?」
「あ、ううん、怒っていないよ……」
「じゃあどうして顔を合わせてくれないの?」
「それは……」
あ、また黙り込んじゃった、どうしよう……
(どうしよう、恥ずかしくて顔が真っ赤……リィンには見られたくないけど……ううっ……)
まあ今はそっとしておくしかないか。ってフィー、あまり下ばかり向いて歩いてると……
「うおっ!?」
「キャッ!」
あ、通行人の人にぶつかってしまった。
「ご、ごめんなさい。わたし前を見てなくて……」
「僕からも謝ります、申し訳ありません」
フィーがぶつかった男性に頭を下げる。僕も一緒に頭を下げる。
「おいガキッ、お前がぶつかったせいで俺の服に染みがついたじゃねえか!」
「兄貴の服汚すなんて言い度胸してんなぁ」
「こりゃごめんなさいくらいじゃ許せねえな」
男性の胸元には確かに何かの染みが付いていた、おそらく持っている飲み物をフィーとぶつかった時にこぼしてしまったんだと思う。
「服を汚してしまい申し訳ありません、これはクリーニング代として使ってください」
僕は財布から1万ミラを取り出して男性に渡した。
「はあっ?一万ミラだぁ?」
「兄貴の服はオーダーメイドだぞ、こんなはした金で許せる訳ねえなぁ」
「……じゃあどうすればいですか?」
「そうだなぁ、ざっと20万ミラ払えば許してやるよ」
20万ミラ……いくらなんでもそれは無いだろう。オーダーメイドと言っていたが男性の服はそこらで買えそうな代物だし……こ
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