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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第17話 カルバート共和国
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頼書を見せておけ。割り振りは俺がするがこれだけの依頼の数だ、当分は休みなしになるぞ、覚悟しておけって皆に伝えておいてくれ」
「了解した」
「ああリィンは残ってくれ。お前には別の要件がある」


 レオは団長から依頼書を受け取ると部屋から出ていき僕と団長が残った。


「まあ立ち話も何だし座ってくれ」
「あ、分かりました」
「おいおい、今は俺とお前だけだ。普通に接してくれ」
「分かったよ、父さん」


 近くにあった椅子に座り口調を砕いて父さんと話す。


「どうだ、西風の旅団に戻ってきて一週間が過ぎたが皆の調子は?」
「常に誰かが僕の傍にいてくれるよ、抱っこされながらね」
「ははっ、まあ皆少し舞い上がっちまってるんだ。お前が帰ってきてくれたことが本当に嬉しいんだろう。勿論俺もだがな」
「うん、僕も嬉しいよ」


 ようやく帰ってこれたんだ、待ち望んでいた皆の元に……これが嬉しくない訳がない。


「さてこれから本題に入るが俺達も猟兵活動としての活動を再開しようと思っている、だがお前はどうするかって事だ」
「それは……」
「お前がD∴G教団で人体実験を受けていた事はセルゲイの旦那から聞いている、そしてお前が体に異常がないか精密検査を受けたってこともな」
「うん、確かに受けたよ」


 以前クロスベルにいた時人体実験の影響で体に異常がないか病院で検査を受けた事がある。


「その後も何回か検査を受けたけど特に問題はないって言われたよ」
「だがそれはあくまで現在の結果だ、使われていた薬の原材料やその効果は全く分からないらしい、だから後から体に何か異常が起きるかも知れない。実際医者側にもそう言われた」
「確かに…」
「もしそうなったら直に俺に言え、最悪猟兵は辞めてもらう事になるかもしれんが……」
「……ごめん父さん、例えそうなっても僕は猟兵を辞める事はできない」
「何故だ、親としてそれは認められんぞ」
「実は……」


 僕は教団に捕らわれていた時に行動を共にしていたレンの事を父さんに話した。


「……そんなことがあったのか」
「うん、僕がこうやって皆に会えたのは色んな人に助けてもらったからだけどその中でもレンの存在は大きいんだ。もしレンがいなかったら僕は絶望して自ら命を絶っていたと思う」
「それほどまでに言うならよっぽど大事なんだな、そのレンって子は……俺も親として礼を言いたいが行方不明……しかも教団に掴まった可能性もある……なるほど、お前は教団と深い因縁が出来ちまったようだな」
「僕はレンを助けるまで猟兵を辞める訳にはいかないんだ、例え死ぬことになってもそれを変えることはない」
「……決心は固いようだな、全く頑固な所ばかり俺に似ちまったな」
「じゃあ……」

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